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「花見の場所取りは仕事?」若手社員が猛反発し、社長に直談判するまで

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 社会人になると、厄介なのが部署での飲み会。楽しくワイワイ飲めればいいですが、なかにはアルコールにまつわるトラブルに巻き込まれてしまう人も……。

バーベキューイメージ 女子旅 アウトドア

※画像はイメージです(以下同じ)

 前田省吾さん(仮名・28歳)は、もともと都内の建設会社で設計士として働いていましたが、実家の母親が病気で長期入院。地元に帰省し、近隣の工務店に転職します。

 入社してすぐ年下の新卒社員とともに、毎年開かれるお花見での場所取りを命じられます。新入社員2人と前田さんの3人で会社から1キロ離れた川べりに集合し、徹夜で場所取りを行ったそうです。

花見の場所取り。上司の命令に「これも仕事?」

「そこは桜の名所として有名な場所で、週末になると、近隣の市町村からどっと人が押し寄せてきて賑わいます。場所取りは、金曜日の夜から土曜日の昼までやりました。コンビニでビールやハイボール、おつまみを買ってきましたが、寒すぎて、全くくつろげなかった」

 ぶるぶると震えながら、スマホでゲームをやったり、テレビを観たり、ときどきしゃべったりと、だらだら過ごしていたそうです。

「そのうち新入社員の一人が『来年、もし後輩が入らなかったら、僕たちがまた場所取りなんですかね……』とつぶやくいて、僕を含めた全員がテンションだだ下がり。そんな最悪の気分でお花見を迎えました」

 何よりも驚いたのが、場所取りを命じてきた営業部長に言われた『それが仕事だよ! ミッションを与えられただけでもありがたいと思え』というセリフ。東京にいた頃は考えられないシチュエーションでした」

花見がスタートしても仕事は山積み…

花見

 場所取りが終わっても、前田さんは解放されません。花見が始まると、酒の買い出しから先輩へのお酌、ごみ出しに後片付けまで休む暇もありません。花見が終わると、今度は二次会のカラオケにも強制参加させられます。

「そこで営業部長のアルハラがヒートアップしてしまって、お酒を飲めない侵入社員がウーロン茶を注文しようとすると、『お前もビールだよな、な?』と、にらまれてしまう。彼は最初の一口だけすすって、残りは僕が代わりに飲んであげましたが」

 その後も営業部長のアルハラぶりは、ますます加速していきます。

「僕と新入社員2人、他に20代社員3人の計6人を一列に並ばせて、ランダムに入れたカラオケ曲を一小節ごとに歌わせるんです。途中でつっかえたり、歌詞がわからなかったりしたらその場でイッキ。お酒が飲めない新入社員は完全に怯えていましたね。僕は店員に頼んで、薄めたウーロン茶をウィスキーと称して持って来てもらってました」

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