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モンスター親の要求に疲弊する教師「子供にモーニングコールして!」

学び

 教育に熱心になりすぎるあまり、教師に無茶な要求を押し付けるモンスターペアレント。みなさん、きっとニュースで耳にしたことあるでしょう。

「教師として働いていたのですが、ストレスしか溜まらない日々でした」と当時を振り返るのは、和泉チカさん(仮名・28歳)。チカさんがうつになったのは、モンスターペアレンツが原因でした。

教師

※画像はイメージです(以下同じ)

「就任したのは、都内近郊の小学校、教師のヘルプ授業や放課後の学童を担当する部署でした。理科の授業の時です。この日は授業参観で、20代後半から30代前半の母親が4、5人やってきました。静かに授業を見守ってくれるはずが、勝手に参加してくるんです」

ミニカーに勝手に電池を入れて走らせる親

 ある父兄は朝顔の観察中、「私もやっていいですか」と手を挙げ、生徒の中に割って入ってきたそうです。

「また別の授業時には「私もやっていいですか」と、ミニカーに勝手に電池を入れて走らせてはしゃいだり、算数の授業では答えを勝手に言ってしまったりと、とにかく授業が妨害されます」

 さらに放課後になると50代近いPTA役員が、ことあるごとに口を挟むのです。

「廊下を走っている生徒に『危ないから』と注意しようとすると、『関係性ができ上がるまで注意しないように。子供が怯えるから』って言うんです。生徒を勝手気ままに走らせて、もしケガをしたらどうするんでしょう……」

 やがてチカさんの心配通り、子供が転倒して、膝から血を流したそうです。そんな日々が続いていたときに、とんでもないモンスターペアレントが現れたのです。

「うちの子にモーニングコールしてよ」

スマホ・女性

「ある日、小学校3年生の女の子の靴が紛失した時でした。怪しかった男の子にその件を問いただすと、逃げ出そうとしました。そこで、『ちゃんと話してくれないと、みんなが困るんだよ』と教え諭しました。すると男の子が隠していた女の子の靴を持ってきてくれました」

 するとその男の子の母親から翌朝電話がかかってきたそうです。

「文句を言われるのかと思ったら、全くその件には触れずに『うちの子にモーニングコールしてよ』と言われました。絶句ですよ。それは家族がなさることで、教師の仕事ではありませんと丁寧に断りました」

 しかしそれ以降も、「子供の送迎をしてほしい」「忘れ物を届けてほしい」など陰湿な電話の要求が続いたそうです。

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