本当に面白いボードゲームは「長考できる」。人気ボードゲームカフェオーナーが語る
全国に店舗を有する「JELLY JELLY CAFE」のオーナーを務め、多くの方がボードゲームを気軽に楽しむことができる空間を提供し続けてきた白坂翔さん。現在はボードゲームブランド「JELLY JELLY GAMES」でゲームデザインも手掛けている。
全国のショップ&カフェ店員100人が「ジャンル別本当に面白いボードゲーム」を選んだ話題の新刊『ボードゲーム総選挙2023』にも白坂さんは登場。
そこで、白坂さん自身は、どんな時にボードゲームを楽しみ、どんなことを考えながらプレイし、またどんな想いでゲームを作っているのか、存分に語ってもらった!(以下、同書より編集の上、抜粋)。
「JELLY JELLY CAFE」立ち上げの経緯
――まずはJELLY JELLY CAFE立ち上げの経緯について教えてください。
白坂翔(以下、白坂):元々は、IT企業のコワーキングスペースの企画から始まりました。名前こそJELLY JELLY CAFEでしたが、ボードゲームとは全く関係ない場所でした。そこではいろんな人が仕事をしに来たり、勉強会を開催したり、夜はお酒を飲んだり、多様な使われ方をしていたのですが、その中の1つの企画として、ボードゲームイベントをやったのがきっかけですね。
――最初はボードゲームとの関わりはわずかだったんですね!
白坂:当時は私がちょうどボードゲームにハマりはじめた頃で、家に10~20個ぐらいボードゲームを持っていたんです。でも家にあったら友達を呼ばないとできないし、イベントの度に持っていくのも面倒だったので、全部コワーキングスペースに置くことにしました。いつでもボードゲームで遊んでOKにして、定期的にイベントを開催するようにしたら、ボードゲーム目的の方が増えてきたんです。そこで、ボードゲームカフェに業態を変えることにしました。
ボードゲームの人気が広がったワケ
――当初はボードゲームの知名度もあまり高くなかったと思いますが、ここまで広がったのはなぜだと思いますか?
白坂:たしかに、開業当初のお客さんは40~50代がメインで、9割が男性という、ボードゲームのコアなファンの方に支えられていました。ただ私はボードゲームは広く一般に受け入れられるポテンシャルがあると思っていました。なので、そっちの層を取り込もうと考え、店作りは今とあまり変わらず、気軽に入れるカジュアルな雰囲気にしていったんです。
変化を感じるようになったのは、テレビ取材が増えてきてからですね。まだボードゲームを楽しめるお店というのがほかにあまりなかったので、取り上げやすかったこともあると思います。そうして次第に若いお客さんや女性の方も来店するようになって、今に至ります。