散々騙されたのに…またインドに行きたくなるワケ「混沌とした雰囲気が恋しい」
徐々に緩和されつつはあるものの、コロナ前に比べたら海外旅行に行く心理的ハードルは若干高くなってしまった人も多いのではないでしょうか。矢田光成さん(仮名・27歳)もその1人。不思議なもので「2度と行くものか」と思っていた国への想いを募らせているといいます。
「刺激を求めて」インドに
「僕が行きたいと思っているのはインドです。以前旅行した際に散々な目にあったので、大嫌いになりましたが、不思議と今は無性に行きたいんです」
矢田さんがインドに行ったのは、22歳のとき。アジアの国々をバックパッカーとして周って辿りついたのがインドだったそうです。
「タイやベトナムを通ったあと、さらなる刺激を求めてインドへ行くというのは、バックパッカーとしての“よくあるコース”なんですが、インドの刺激は予想以上でした。事前に調べていたので知ってはいたものの、インドに行って、本当にあらゆるものに値段がないことに驚きました。全てが交渉。お猪口のような小さな器のチャイ1杯飲むのも交渉が必要なんです」
毎回のように言いくるめられてしまっていた
インド人は交渉術が巧みで、英語が苦手な矢田さんは騙され続けたそうです。
「特にてこずったのが、リキシャーと呼ばれる三輪タクシーでの移動でした。普段から旅行者を相手にしているので、交渉慣れしていて、相場を知っていても、なかなか値段を下げないんです。特に腹立たしいのが、事前の交渉で料金は決めていたのに、移動先についた途端に値段を釣り上げてくるパターン。移動自体はしているわけで、言った言わないの水掛け論になって、結局負けてしまうことばかりでした」