韓国から撤退、赤字ギリギリだった「グローバルワーク」が復活できたワケ
アパレルブランド「ニコアンド(niko and…)」や「グローバルワーク」を展開するアダストリアの業績が回復基調にあります。コロナ禍だった2021年2月期の売上高は前期比17.3%減の1838億7000万円、営業利益は同94.1%減の7億6600万円でしたが、2022年2月期の売上高は前期比9.6%増の2015億8200万円、営業利益は同8.6倍の65億6400万円で着地しました。
勝負となるのが2023年2月期。アダストリアはカフェダイニングの「アロハテーブル」を運営するゼットンを、TOBで2022年2月に連結子会社化したためです。苦戦が続く外食企業を飲み込んだアダストリアは、力強く成長することができるのでしょうか?
堅調に成長してきたアダストリア
2023年2月期の売上高は前期比14.1%増の2300億円、営業利益は同52.3%増の100億円を予想しています。営業利益は3.3%から4.3%へと1.0ポイント上昇する見込みです。
アダストリアは営業利益率を高めつつ、堅調に成長してきました。しかし、新型コロナウイルス感染拡大によってショッピングモールなどから人が消えると、赤字ギリギリまで追い込まれました。しかし、2022年から人々の行動制限が緩和され、ショッピングへの意識も変化しつつあります。それに伴い、業績もコロナ前に戻っているのがグラフの推移からわかります。
206店舗展開するグローバルワークが稼ぎ頭
アダストリアの業績を支えている1番のブランドはニコアンドではなく、グローバルワークです。
グローバルワークの2022年2月期の売上高は前期比11.6%増の377億6200万円でした。ニコアンドは同4.3%増の272億2700万円です。グローバルワークは2022年2月末時点での店舗数が206店、ニコアンドは144店であり、50店舗以上上回っています。
グローバルワークはかつてポイントという会社が展開しているブランドでしたが、2015年3月にアダストリアに吸収合併されました。そもそもアダストリアは巧みにM&Aを活用して成長してきた会社なのです。