「食べログ被害者の会」発起人に聞く、嫌がらせ被害。カカクコム裁判は泥沼化へ
焼肉チェーン店「焼肉・韓国料理 KollaBo」を運営する株式会社韓流村は、株式会社カカクコムが運営するグルメサイト「食べログ」に対して、チェーン店の点数のみを恣意的に下げる不当なアルゴリズム「チェーン店ディスカウント」を設定・運用していたとして、独占禁止法違反にあたると主張した裁判の判決が2022年6月16日に下された。
結果は、東京地方裁判所が食べログの独占禁止法違反を認定し、カカクコムに対して3840万円の損害賠償金の支払いを命じた。つまりは韓流村の完全勝利として幕を閉じた……ように思われたが、カカクコムは判決が出た6月16日に、判決は「不当だ」として即日控訴。まだまだ食べログをめぐる問題は続きそうだ。
とはいえ、韓流村は4月に「食べログ被害者の会」を立ち上げる(顛末は前回の記事から)など、今回の裁判に対して並々ならぬ意気込みで臨み、先の勝訴を勝ち取った。とりあえずは“一区切りついた”とも言える。本記事では韓流村の代表取締役を務める任和彬氏、そしてカカクコムの広報担当者に話を聞いた。
【関連記事】⇒「食べログ被害者の会」が発足。飲食店代表が訴える“不当な点数操作”の実態
チェーン店だから口コミ点数が下がる?
今回の判決について、「我々の主張が受け入れられたことは素直に嬉しいです」としつつ、「実はチェーン店ディスカウントは今なお続いています」と不満を続ける。チェーン店ディスカウントでは、ユーザーがつけた口コミ点数とは関係なく、チェーン店飲食店の点数のみが最大で0.5点ほど下がっているという。
「2022年4月に我々が報道資料を出した時、チェーン店ディスカウントの対象になっている会社は約3900社。ですが、今現在チェックすると約4600社まで増えています。チェーン店の点数を不当に下げることは問題視していましたが、それに加えて、チェーン店ディスカウントの対象にならないチェーン店も存在しており、露骨な差別をしていることも我々は追及していました。
しかし、今ではチェーン店ディスカウントを止めるどころか、これまでチェーン店ディスカウントの対象から外していたチェーン店に対しても減点するように動いているのです」
「ディスカウントなんて最初からない」?
チェーン店ディスカウントの対象を増やしたのが事実であれば、カカクコム側としては自分の首を絞めかねないアクションに思える。この動きについて、任氏はこう分析する。
「第1回の控訴審が秋ごろに行われるのですが、『チェーン店ディスカウントなんて最初からない』『チェーン店間で差別をしているのではなく、全てのチェーン店で同様の点数制度を設けている』という言い訳を作るために、『全てのチェーン店にチェーン店ディスカウントの対象にしようとしているのでは?』と考えています」