涙声で「助けて…」と。ツーショットダイヤルで結婚を誓った彼女からのSOS
ドラマのような出会いを求めている人も結構いるようですが、それがハードな内容だった場合には、想像以上に大変なケースもあるようです。今回は、現実世界でドラマのような出会いを体験した隅田智之さん(仮名・当時21歳)に話を聞きました。
前々から、付き合う人は中身で選びたいと考えていた隅田さん、写真で相手を選んでしまいそうな出会い系アプリには抵抗があったと言います。そこで、昔ながらのツーショットダイヤルで出会いを求めてみようと考えました。
ツーショットダイヤでであった相手
「ツーショットダイヤルは、電話をかけた男女がランダムでつながる仕組み。そのシステムこそが、いわば運命の出会いだと感じて利用を決めました。でも、いきなりの喘ぎ声や無言が続き、心が折れそうに。そんなとき、とびっきり明るい声の女性とつながったのです」
女性は「28歳・亜美」と名乗り、見ず知らずの隅田さんに「やっと普通の人とつながって嬉しい」「いまは何してたの?」などと気さくに話しかけてきます。女性経験の少ない隅田さんは彼女にリードされるまま楽しく話し、すっかり気を許してしまったのだとか。
「ツーショットダイヤルは、1分いくらと決まっていて、銀行やコンビニ、インターネットから通話時間を予想して前払いするか、後払いするシステム。でも、後払いは怖いので、前払いを選択し、初回無料の通話分サービスと併せて1時間ほどしか話せませんでした」
結婚まで誓いあう仲に
切れる前にアナウンスが流れるので、亜美に言われるまま、ツーショットダイヤル内で待ち合わせて話すことができる自分のID(ボックス番号)を教え、後日また話すことに。次の日も次の日も、隅田さんはいままでの貯金を切り崩し、7歳年上の亜美と会話を続けます。
「貯金しようと思ってお金を貯めていたわけではなかったので、お金を使うことに抵抗はありませんでした。亜美さんと話していると楽しいし、ドキドキする。この時間が永遠に続けばいいと思っていました」
2人は、ツーショットダイヤル内で盛り上がり。隅田さんの話に亜美さんがヤキモチを妬いてくれることもあれば、隅田さんのほうが嫉妬を抑えきれずに亜美さんに愚痴を言ってしまうこともありました。そして会ったこともないのに、ついには結婚まで誓いあいます。
「変な話かもしれませんが、実際に会っていないのに、大好きになっていました。だから、僕にとってはツーショットダイヤル内で付き合ったり結婚を誓いあったりすることも、自然なことだったのです。ゲーム内で人を好きになるのと似ているかもしれません」