脱毛サロン「キレイモ」金銭トラブルはなぜ起きた?背景に“広告費のかけすぎ“も
脱毛サロンKIREIMO(キレイモ)を運営する株式会社ヴィエリスで、従業員への給料支払遅れや未払い、顧客への解約返金遅れが発生していることが、2022年4月28日にメディアで相次いで報じられました。
これに対しキレイモは、5月4日までにホームページ上で「返金に関するご案内」とする文書を発表。返金遅延を認め謝罪した上で、「すでに御解約日の早いお客様から順次実施させていただいております」と説明しています。以下、中小企業診断士の関谷信之氏(@kakanrilabo)が寄稿します。
前社長が掲げた柱は「従業員満足度で日本一」
キレイモは、全身脱毛を専門とする脱毛サロンです。10~20代の女性から支持を集め、全国で60店舗を展開しています。タレントの渡辺直美氏を起用したテレビCMや、アニメ『東京リベンジャーズ』とのコラボ企画など、派手なイメージが強い同社ですが、「従業員を重視する」とうたっていた企業でもありました。
複数のメディアのインタビュー記事によると、前社長の佐伯真唯子氏が掲げた経営の柱のひとつは「従業員満足度で日本一」になることでした。サービス業は従業員満足度が顧客満足度に大きく影響する。そのことを踏まえての経営指針です。社員の生活や志向に合わせた雇用形態を導入し、同社の離職率を業界の半分まで下げることに成功したといいます。
従業員が損失を被っている実態
しかし、今回発覚した給料の支払遅れは「従業員満足度日本一」とはかけ離れた状態、ということになります。顧客対応もおろそかになっているようです。「施術予約が取りにくくなった」「解約したのに返金されない」など約350件の相談・苦情が、キレイモの問題で相談を受け付けている日本エステティック経営者会に寄せられているといいます。
従業員満足度、顧客満足度とも低下してしまったキレイモ。原因はなにか。対策はあるのか。そして、私たちが安心してサービスを利用するにはどうすればよいかを考えたいと思います。