コロナで消滅危機の「寄せ書き」がオンラインで進化。“最大246人分”のメッセージも
卒業や退職といった別れのシチュエーションでイメージするのが、色紙、アルバムなどへの「寄せ書き」だ。感謝の心がこもったメッセージは、どんな記念品よりも胸を打つ贈り物になる。
しかし、昨今はコロナ禍によって、卒業式が中止されたり、リモートワークも定着。直筆のメッセージが集めにくく、不特定多数の人の手が触れるなど寄せ書き自体が消滅危機にあるといって過言ではない。
そんななか、2021年11月4日にスタートしたのがオンライン寄せ書きブックサービス「スゴヨセ」。オンライン上で寄せ書きが完結できる同サービスを運営する株式会社iUM(アイム)で広報を務める中川咲子さんにその概要と、寄せ書きに対する思いを聞いた。
色紙スタイルをやめたワケ
「スゴヨセ」は「すごい寄せ書き」の略。そのネーミングは覚えやすさ第一にこだわったそうだ。それにしてもなぜ、今あえて寄せ書きに着目することになったのか。
「コロナ禍で人と会うことが少なくなっているかもしれませんが、寄せ書きのニーズはなくならないと思います。オンライン寄せ書きサービスについては、数社ある競合が使っているのはどれも色紙。『スゴヨセ』を開発するにあたって『人生の節目を記念する宝物となるものなのに汚れてしまったり、サイズ的に保管しにくかったりする色紙ってどうなの?』という意見が。
そこでプレミアム感を付けるためにブック型で提供することを決めました。これまでの色紙スタイルよりも、断然ギフトとして成立しやすいはずです」
幅広い層が使えるようにわかりやすく
作成のフローとしては、相手の好みや、シチュエーションごとに合ったテンプレート(50種類以上)を選び、管理画面をつくってURLをメンバーに共有。そしてメッセージが集まってきたら載せる写真を挿入すれば完成だ。幅広い層がスムーズに使えるようにわかりやすいUI(ユーザーインターフェイス)を心がけて開発にあたったそうだ。
「どなたであっても比較的簡単に作れます。また、テンプレートはクオリティにこだわっているので、渡す対象によって『選ぶ楽しみ』もあるかもしれません。弊社はもともとクリエイティブエージェンシーのいち事業部として生まれたので、優秀なデザイナーを確保できています。それが豊富なバリエーションかつ高クオリティのものを用意できる理由なんです。今後も続々と増やしていきますよ」