「全国幸福度ランキング」連続1位の福井県。実際に暮らす若者の意見は
人間が幸せに暮らせる指標のひとつとして近年世界的に注目されている「幸福度」。国内でもシンクタンクの日本総合研究所が2012年から2年ごとに『全47都道府県幸福度ランキング』を発表しています。
ちなみに最新2020年版の総合1位は福井県。しかも、2014年版のランキングから4回連続で1位をキープしており、報道でもたびたび取り上げられているので知っている方も多いかもしれません。
就職で地元に戻り、独り暮らしを始めたけど……
ただし、実際に現地に住んでいる若者は自分が幸福であると実感しているのでしょうか? 大学卒業後、福井県内の企業に就職し、それに合わせてアパートでの独り暮らしを始めたという小坂浩司さん(仮名・26歳)は、「“幸福度1位の県”っていうのは有名な話なので当然知っていますが、僕自身としてはそうなんだ~って程度。個人的に幸福度の高さは実感することはないですね」と話します。
まさかの否定コメントでいきなり出鼻をくじかれましたが、住みやすい土地であることは本人も認めています。
「私は実家も福井市内にあり、大学時代の4年間以外はずっと県内に住んでいるので理由はなんとなくわかります。地方なのに雇用が安定していて夫婦共働き率が日本一だったり、それでいて待機児童率ゼロなど教育環境も悪くありません。
自治体のサポートなども比較的手厚く、子育てをする親世帯や高齢者にとっては本当に暮らしやすい。ちょっと行けば海や山と自然も豊富ですし、福井市ですらゴミゴミした都会の煩雑さとは無縁です。そのあたりが幸福度として反映されているのかもしれません」
小さな町ゆえにオフも会社の人とバッタリ遭遇が頻発
のんびり過ごすには悪くなさそうですが、現地在住の若者としては「退屈すぎる」という本音も。
「大学時代は大阪に住んでいたんですけど、良くも悪くもすごく刺激的で福井での生活とは完全に別物でした。今は福井市内から車で40~50分ほどの別の町に住んでいるのですが、お酒を飲まない僕が仕事帰りに立ち寄れるような飲食店は本当は限られてくるし、買い物する場所は町内の大型商業施設の一択。
だから、夜や週末にどこかに繰り出しても地元だと職場の人に会う確率が異様に高いんです。みんないい人ですけど、オフの場で会ってもこっちのほうが圧倒的に若手だから気を使うじゃないですか。温泉やスーパー銭湯が好きで週末の息抜きとして通っても、そこで上司のバッタリなんてことが何度もあって……。小さな町ゆえに行くところも被るんでしょうけど、そこは正直辛いですね」