あなたが本当に「やりたいこと」の見つけ方。人気アナウンサーと科学ライターが語る<吉田尚記×鈴木祐>
社会人になってはみたものの、「やりたいこと」が見つからず悩んでいる人は少なくないはず。今のままでいいのか、それとも転職すべきか、仕事の“正解”を見つけるにはどうしたらいいのか。
『元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書』(アスコム)で、コミュ障からアナウンサーになった経歴からコミュニケーションを円滑にする方法を導き出したニッポン放送アナウンサーのよっぴーこと、吉田尚記さん(@yoshidahisanori)。
一方、仕事探しの最適解を説いた著書『科学的な適職 4021の研究データが導き出す 最高の職業の選び方』(クロスメディア・パブリッシング)がロングセラーになっているサイエンスライターの鈴木祐さん(@yuchrszk)。
異色のキャリアを持つ2人だが、自身はなぜその仕事を選んだのか? 2人の対談から見えてきたのは、予測不能な人生の中で偶然出会う“やりたいこと”の見つけ方だった。対談前後編の前編をお届けする(後編は近日配信)。
仕事とプライベートの線引きは存在しない
――吉田さんは鈴木さんにどうしても聞いてみたいことがあるそうですね。
吉田尚記(以下、吉田):お会いしたら、ぜひ聞きたかったことがあるんです! ご著書で「仕事とプライベートがきっちり分けられないと寿命が縮む」という研究を紹介されていますが、それを読んだ瞬間に、僕は「仕事って何だ?」って思ったんですよ。
僕は全く分けられていないのですが、そもそも仕事とプライベートの違いって何なんですか?
鈴木祐(以下、鈴木):仕事とプライベートの線引きって、実は主観でしかないんですよ。みなさん仕事とプライベートを切り分けようとしていますが、主観に基づいているので、区別は非常にあいまいなんですよね。ただ、吉田さんは、両者を切り分けなくてもストレスを感じないタイプなんでしょうね。
吉田:確かに全くストレスは感じていないですね。びっくりするくらい好き勝手なことをやり続けていたら、ありがたいことにお仕事になっているという感じでして。先日も趣味のアニソンのライブに行って、夜の生放送で「ももいろクローバーZ」さんと生放送をして。その後、会社で音声SNSの「Clubhouse(クラブハウス)」をやっていたら大きな地震が起きて、すぐに報道ブースに駆けこんで地震速報を読みました。
これってどこまでが仕事かプライベートなのか境界線がまるっきり分からなくて。これは大マジで仕事のことを考えている鈴木さんに聞くしかないって(笑)。
「仕事とプライベートは分けなくても大丈夫」
鈴木:自分が仕事だと思っているかどうかですよ(笑)。科学研究でも主観でしか判別できないことって多いんです。幸せの基準とかもそうですね。
吉田:そこは意外にも主観でいいんですね! びっくりです。
――鈴木さん自身はどのように仕事とプライベートを分けていますか?
吉田:それ、すごく気になりますね。
鈴木:全く分けられていないです(笑)。
吉田:やっぱり、みんなそうですよね(笑)。ちょっと安心しました。
鈴木:僕はプライベートではものすごく無気力なんですよ(笑)。何もやる気がしないので、とりあえず朝起きたら、まず運動しますね。バーピージャンプで有酸素運動をしてから、仕事を始めます。それでグーグルカレンダーに予約している猫と遊ぶ時間になったら、仕事を中断して……。