“マスコミ一択”で就活するも全落ち。妥協して入った会社は驚きの超ブラック
誰しも、「若さで乗り越えられる」と思って入った業界や、憧れの仕事には特別な思い入れがあります。
まだ職歴が少ないときは、その経験が“特殊なケース”というのも気づかないまま、一心不乱に働いていることもあるようです。
マスコミ業界に絞った就活。内定は1社だけ
東京都内在住の橋本慶子さん(仮名・29歳)は、オリジナル作品や企業の配信用動画などを制作する会社で働いています。普段から、ファッション雑誌を読み、Instagramでトレンドをチェックするなど、流行に敏感だった慶子さんは、就職先をマスコミに絞って就活を行いました。
「私が大学を卒業した2013年は、リーマンショックや東日本大震災の影響がまだ残っていて、ちょっとした就職氷河期でした。私の周りも、就職先が決まらなくて1年だけ大学院の聴講生になったり、契約社員など非正規雇用での就職をした人もいました。私は、大手のテレビ局や、関連会社、映像制作会社はすべて不採用だったのですが、中規模のイベント制作会社から内定がもらえました。映像制作なども手掛けていたので、マスコミのような映像づくりの仕事ができるかなって」
慶子さんの就職した会社では、新入社員のほとんどが入社後はADとして働くそうです。
散々なオリジナルビデオの撮影現場
「私は制作ではなく素材管理を行う部署に配属されました。過去の撮影作品などを、CSチャンネルなどに貸し出す手続きをする仕事です。でも、現場のスタッフは常に人手不足だったので、何度かオリジナルビデオの撮影現場に出向きました」
慶子さんが撮影に参加したオリジナル作品は、宿泊先の旅館を使って撮影されました。
「深夜まで及ぶ撮影な上に、実際に泊まっている部屋のアメニティを、同僚に勝手に使われてしまい、散々でした。しかも、帰りは予想外の渋滞に巻き込まれて、終電がなくなっていたんです。そんな状況なのに、ロケ車は私とADを先に下ろして帰ってしまったんです」