無言のテレワークに要注意。口が開かない、老け口になるリスク
コロナ禍でのテレワークは何かとストレスがたまります。メンタルヘルスケアなどを手掛けるアドバンテッジリスクマネジメントの調査では、特に25歳以下の若手社員が他の世代と比べて、強くストレスを感じていることが分かりました(調査は47の企業・団体の9万6386人を対象に、2019年5月~6月と2020年5月~6月の2度に分けてストレスチェックを実施)。
その理由は、会社からのサポート不足や、自分への期待感が不明で「やりがい」が分からないことや、社会からの孤立感です。目に見えないストレスは、実は口の中にもさまざまな影響を及ぼします。今回は歯科医が、ストレスを感じやすいテレワークの中で、気をつけてもらいたい口の病気をご紹介します。
口を閉じすぎるとどんな病気になる?
ストレスがかかると、口を閉じがちになります。でも自分で気づくことができません。それは「無意識」だからです。しかしこれが、思わぬ病気の原因になるのです。
口を閉じるときに使う「閉口筋」は、顎のエラから頬にある太くて大きい「咬筋」と、頭の横にある薄くて広い「側頭筋」です。口を閉じすぎると、これらの筋肉が異常に働くことになります。
なぜなら、思いっきり噛むより、上下の歯を合わせたくらいに軽く口を閉じる状態のほうが、筋肉には負担が大きいからです。思いっきり噛み締めると筋肉の40%を使いますが、1.4分続けると疲れてしまい、それ以上は噛めません。一方、上下の歯が合うくらいに口を閉じると、筋肉の7.5%しか使わない分、157.2分間も噛み続けられるのです。
鏡の前でできるセルフチェック
筋肉への負担は「筋力を使う量」×「時間」です。つまり上下の歯を合わせて口を閉じすぎていると、思いっきり噛み締めるより“20倍以上”筋肉の負担になります。
この状態が続くと、顎関節症になるリスクが2倍になります。通常は「口が開かない」「口を開けると痛みが出る」「口を開けると耳の前に変な音がする」ようになりますが、テレワークで人と会う機会が減り、会話や会食をしなくなることで、顎を使わなくなっています。そのために、症状に気がつくことが遅れて重症化しやすくなります。
セルフチェックとして、鏡の前で大きく口を開けてみてください。
・口を大きく開けられますか?
・痛みはありませんか?
・口を開けたときに音はしませんか?
1つでも当てはまれば、顎関節症にかかっている可能性があります。