ワイン初心者でも大丈夫「選び方の基本とトレンド」をエノテカに聞く
ワインには赤ワインや白ワイン、ロゼ、スパークリングなどさまざまな種類があり、かつ産地やブドウの品種によっても味が異なる。ワインショップやレストランに行っても、あまりに数が多すぎてどれが自分にぴったりなワインなのか、皆目見当がつかない場合もあるだろう。
今回は輸入ワイン専門商社大手・エノテカ株式会社 執行役員の改野晃一氏に、初心者が自分の好きなワインを見つける方法やシーンごとの選び方について話を聞いた。
好みのワインを見つけるには、多くの種類を飲むこと
改野氏は20年以上に渡ってワイン業界に従事しており、(社)日本ソムリエ協会認定のワインアドバイザーの資格も有している。ワインと長年付き合っていた経験から「自分の好きなワインと出合うには、多くの種類を飲むことが大切」だと語る。
「初めはとにかく多くのワインを試しに飲んでみるといいです。予算もあると思うので、リーズナブルなものから入ってもいいですし、試飲で飲み比べてもいい。何が美味しいかは好みにもよりますし、ある程度飲まないとわからないものです。いろいろな種類のワインを飲めば、引き出しも増えて、自分の好きなジャンルを絞れるようになる。さらにそのジャンルについて、ワインショップのスタッフやソムリエなどワイン通の人に聞いていけば、より自分の幅が広がります」
また、改野氏自身の経験として、20代の頃はパワフルでキレのある赤ワインが好きだったが、50代の今では味わい深く、エレガントなワインを好んで飲むようになったそうだ。
「年齢によってワインの好みは変化するので、20代の頃からワインの引き出しを増やしておけば、ワイン選びもより一層楽しめると思います。また、ワイン初心者はまず、“甘口”からスタートするのがおすすめですね。よく例えるのが、子供にいきなりキリマンジャロ産の濃いコーヒーを薦めても、苦すぎて味の良さがわからない。初めはミルクコーヒーなど甘口のものから入ったほうが飲みやすいのと同じように、ワインも甘口から入り、物足りなさを感じ始めたら、別のタイプに広げてみるといいでしょう」
ブドウ品種を理解することが、ワインを知る近道に
とはいえ、ワインは生産地や品種など多岐に渡っており、初心者にはどれがおすすめなのか見分けづらい。かくいう筆者も、ワイン選びに関しては生産地やブドウの品種よりもおしゃれなデザインのワインボトルや値段の安さを重視している。
改野氏は「もちろんデザインや値段を基準にするのも選び方のひとつ」としつつ、ワインの基礎知識を身につけたほうが、ワイン選びが一層楽しくなると説明する。
「ワインがわかる一番の近道は、ブドウ品種を知ること。ワインの味は生産者による醸造方法や土地の気候、風土、土壌などの要素をもとに生み出されますが、ブドウ品種が味を決定づけるといって過言ではありません。つまり、その知識をつけておけば、だいたいの味のイメージがつくようになるんですよ」
ブドウ品種は世界に数千種類あるといわれており、さすがに全部は覚えられないものの、代表的な品種を押さえておけばワイン選びの際に役立ちそうだ。ワイン初心者がまず知っておきたいのは、シャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンの3種類の品種。