松岡茉優主演『カネ恋』が描く“尊い人生”。新たな恋がはじまる予感
このドラマに出てくる登場人物たちは、なぜこんなにもピュアで繊細で、愛おしいのか。『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系/火曜22時〜)第3話で描かれたのは、数多の“嘘”と、それを“言えない”人たちが織りなす恋の物語。玲子(松岡茉優)はまるで“次の運命”を迎え入れるかのように、15年片想いを続けてきた早乙女(三浦翔平)への恋に終止符を打つ。
嘘で始まり、真実で転換する
婚約相手と別れたまりあ(星蘭ひとみ)が、そのことを友だちに打ち明けることができず、代わりに結婚相手として慶太(三浦春馬)を紹介する。そんな“嘘”から始まる『カネ恋』第3話は、その後もどんどんこの“嘘”が物語を展開させていく。
ストーリーの主軸となったのは、早乙女がついていた嘘。実は妻子持ちであったにも関わらず、メディアへの出演時は“独身のイケメン会計士”という触れ込みを使い、玲子にもこれまで真実を打ち明けることはなかった。第2話のラストではその事実を玲子の同僚である板垣(北村匠海)が掴むも、彼も、そしてその話を聞いた慶太も、玲子に伝えることができない。
実は同じ“言えない”場面が第3話にはあり、それは、腹違いの妹であると信じていたひかり(八木優希)が実は慶太の勘違いであったと明らかになるシーン。ひかりから真実を伝えられた玲子は、幸せそうにそのことを信じている慶太に真実を伝えることはしない。
どこまでもピュアな玲子と慶太
玲子と慶太のお互いの“言えない”は、「これを言ってしまうと傷ついてしまうかもしれない」といった相手への思いやりによるものだ。
玲子はいつだって他者と真摯に向き合い、なにか“ほころび”があれば絶対に逃さず、お金づかいと同じように一期一会の出会いを大切にする人。慶太は“親切心のかたまり”みたいな人で、少々強引な意見を述べるときもあるけれど価値観の違う相手とのコミュニケーションを諦めず、寂しさや傷を抱える人にはそっと寄り添う猫のような存在。