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絶望のホテル関連業界「会社が潰れるかも」と20代社員が語る惨状

学び

 旅行者や出張のビジネスマンの激減で窮地に立たされているホテル業界。温泉地では宿泊者0人が連日続き、休業だけでなく倒産してしまった宿泊施設も出始めています。

ホテル受付

※画像はイメージです(以下同じ)

 都市部でも稼働率が2割以下なんてホテルばかり。各地で従業員の解雇や雇い止めが起きており、コロナが収束しない限りはこの流れがしばらく続きそうです。

業績過去最高から一転してリストラの危機

 そんな中、宿泊施設以外の関連企業も経営が悪化。ビジネスホテルなどにベッドメイキングを行う清掃スタッフを派遣する人材会社に勤める宮田繁一さん(仮名・26歳)も「この状態が半年続けば、会社が潰れるかもしれない」と厳しい状況を明かします。

「今までホテル業界は本当に好調で、本当なら今年はオリンピック開催でしたから、多くの宿泊施設で派遣する清掃スタッフの数を増やしている状況でした。そのため、求人サイトなどを使って登録者の募集を積極的に行い、昨年はおそらく会社の業績も過去最高だったはずです。

 だけど、宿泊施設に派遣した清掃スタッフの数は3月中旬の時点で昨年の7割。これが4月上旬の時点では昨年の3割まで落ち込みました。年度末を節目に雇用調整を行った宿泊施設が多いようですが、実際にはその前から出勤日数を減らされているケースも多かったんです。

 現在、ホテルで働いている派遣清掃スタッフの方も同様で、『週5日勤務なのに週2~3日に減らされて生活できない』といった登録者の方からのメールも多数届いています。すべて目を通していますが、どれも苦しい窮状を訴える内容で読んでいて胸が痛くなります」

リストラされるまで働き続ける

詰められる男性

 ただし、派遣されていた清掃スタッフだけでなく、宮田さんもこの状態が続けば仕事を失うことになるかもしれません。

「決して自転車操業のような経営状態ではなかったのですが、ここまでひどい状況になるなんて社内の誰も想定していなかったこと。会社は私を含めても従業員が10人もおらず、口には出しませんがリストラもあると思っているはず。

 その覚悟ができているとは言えませんが、受け入れるしかないですよね。募集広告を出している企業でさえ、問い合わせると『今は採用を中止している』と断るところが多いと聞きます」

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