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霜降り明星が語る「コンビが消滅しそうになった」時期

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 2018年のM-1グランプリで優勝を果たし、その勢いのまま2019年のブレイクタレント1位(「二ホンモニター」調べ)の称号を手にしたお笑いコンビ、霜降り明星のせいやさん(27)と粗品さん(27)。

霜降り明星

霜降り明星の二人。せいやさん(左)と粗品さん

 現在、冠番組を含むレギュラー番組9本のほか、YouTubeチャンネル「しもふりチューブ」もコンスタントに更新するなど、超多忙を極めている。かつてのM-1王者のなかでも、ここまで長く引っ張りだこの状態が続いたコンビも珍しいだろう。

 そんな彼らは、今どんな思いで活動しているのだろうか? 前編では、学生時代のエピソードや結成までの経緯を振り返ってもらった。後編では、ブレイクまでの苦悩や「お笑い第7世代」誕生の真相、もっとも苦戦した番組などについて語ってもらった。

満面の笑みで言われた「解散ですか?」

――2013年のコンビ結成からブレイクされるまで、表向きには理想的な形で階段を駆け上がったイメージがあります。これまで、解散危機など苦悩されたことはありますか?

せいや:メッチャありますよ。解散と言うか消滅。芸人を辞めるギリギリまでいきましたし。今の霜降り明星になるまでに1年くらいかけて適応していった感じですね。

 当時の劇場の平場(ネタ以外のトークや企画の時間)とか、すました顔で天才みたいな立ち振る舞いしてて、 “元気いっぱい”なんてキャラでは全然なかったです。今みたいに動き回るようになったのは、芸人になって3年目ぐらいで見つけた芸風ですから。

粗品:あと作家さんのパワハラね。テレビに出てない若手は劇場だけがすべてなんです。毎週バトルがあって、それを審査員という立場の作家さんが僕らの順番を決める。そのなかで、「なんでコイツに言われなあかんねん」と思いながらも、ネタのダメ出しを聞いていた。

 一番エグかったのは、劇場の仕事とは別件で、ある作家さんに話しかけたら「解散ですか?」って満面の笑みで言われたこと。そのくせ、僕らが「ABCお笑いグランプリ」とか獲ったら、手の平を返したように「面白いっすね! 霜降りさん」とか平気で口にしてくる(笑)。

「アイツら終わった」が怖くてM-1優勝

霜降り明星

――2017年に『新しい波24』から選抜されて、『AI-TV』にレギュラー出演されています。ハナコの岡部大さんは当時から「霜降りが真ん中になる」と感じていたそうですが、その自負はありましたか?

せいや:真ん中とかって意識はなかったですよ。もちろんメインで使ってもらえるのは嬉しかったけど、あの頃はとにかく必死でした。視聴率も低いし、毎回不安だったんですよ。実際すぐ番組も終わって(苦笑)。ただ、今思い返したらいい思い出です。

粗品:楽しいのは楽しかったですね。真ん中に見えていらっしゃったって声もありましたけど、一応、チヤホヤされてるというか。番組でメインになるあこがれもあったから、嬉しかったですし。

せいや:ただ、逆にピンチでもありましたよね。1回真ん中みたいなポジションになった番組が終わると、まだ売れてないのに「あ、アイツら終わった」みたいな扱いを受けるってよう言われたんです。それがメッチャ怖かった。だから、『AI-TV』が終わるってなった頃ぐらいから、M-1に向かって目の色変えたと思います。「もう1回優勝せな!」って。それで手繰り寄せたトコはある気がしますね。

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