のん、『この世界の片隅に』が地上波放送。独立後も愛されるワケ
ミニシアターの上映からスタートして異例の大ヒットを記録したアニメ映画『この世界の片隅に』が、8月3日21時よりNHK総合で放送。話題の名作が、ついに地上波で初登場します。
ヒロイン・すずの声を演じたのは、女優・のんさん(26)。2010年、映画『告白』で脇役としてデビューした彼女は、国民的人気女優へと上り詰めたのち、独立や改名など紆余曲折の道のりを歩むことになりました。
『あまちゃん』で大ブレイクし、国民的女優に
のんさんが大ブレイクを果したのは、なんと言っても2013年放送のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』でしょう。当時はまだ、能年玲奈という本名および旧芸名で活動していました。
ヒロイン・天野アキ役の奔放でみずみずしい演技が視聴者の心を捉え、このドラマで国民的女優へと飛躍。放送終了後は、バラエティ番組へのオファーが相次ぎました。出演したトーク番組では、自分自身を「生ゴミみたい」と発言したり、質問に対して10秒以上沈黙したりと、きわどい“天然キャラ”が話題に。女優としてだけでなく、その人間性でも注目を浴びました。
2014年、主演を務めた映画『ホットロード』では、心に傷を抱え、非行に走る少女役を好演。この演技が高く評価されて、「第38回日本アカデミー賞」で新人俳優賞、「日刊スポーツ映画大賞」で新人賞など複数の賞を受賞しました。このまま順風満帆なキャリアを歩んでいくはず……と、このときは誰もが疑うはずもありませんでした。
独立騒動で休業状態…「のん」に改名
ところが2015年5月、事務所独立騒動が勃発。女優としてのキャリアが暗転することになります。騒動の原因は、当時所属していた「レプロエンタテインメント」に無断で個人事務所「三毛&カリントウ」を設立した、というものでした。
この不可解な行動に、各メディアが当時の演技指導者から“洗脳されている”との報道もあり、イメージは下降するばかり。事務所との折り合いもつかず、以降は事実上の休業状態に陥ります。
2016年7月には、能年玲奈という芸名を「のん」に改名。マネジメント会社「スピーディ」で再スタートを切りますが、テレビドラマや映画のオファーはやって来ません。それでも、ファンのために元気な姿をインスタグラムに投稿したり、LINE LIVEで活動予定を報告したりと、着実な一歩を積み重ねていきました。