<第10回>経済学者・ケインズ登場!そして「ハイパーインフレって…なんだ?」――『貨幣論』と『トイ・ストーリー』を混ぜてみた
紙幣が貨幣として通用するのはいったいなぜ?
船室に入ったケインズは、1人で考えごとをしていました。リンネルはその様子をしばらく遠目に見ていましたが、しびれを切らして船室に入ることにしました。ケインズに聞きたいことがあったからです。船室に入るリンネルには、お茶も付いてきました。なんとなく付いていっただけでした。
リンネル「ケインズ、教えてほしい。貨幣っていうのは何なの?」
ケインズ「貨幣というのは、価値の尺度であり、交換手段だよ」
リンネル「何で紙っ切れの紙幣が、貨幣として使えるの?」
ケインズ「それは信用されているからだよ」
リンネル「次に受け取る人が貨幣として扱うから、次の次の人も扱うから、そう信用されているから、ってこと?」
ケインズ「そうなるね」
ケインズの答えを聞いて、リンネルはうんうんと頷き、納得したようでした。しかし、横で聞いていたお茶はある疑問がふっと浮かびました。
お茶「(じゃあ、次の人が貨幣として信用しなかったら、機能しないじゃないか)」
さらに考えはめぐります。
お茶「(それに、貨幣を貨幣として思わない人がいたら終わりじゃないか?)」
そのとき、ぽつんぽつんと点在してた考えが一本の線に繋がり、お茶に電流が走りました。
お茶「そうか!」
思いついた考えを実行するため、お茶は船室を飛び出しました。
リンネル「どうしたんだろう?」
ケインズ「さぁ……?」
二人は一緒に首をかしげました。はたしてお茶の考えとは何なのでしょうか。
【次回予告】
紙幣がなぜ貨幣として機能するのかを知ったリンネルとお茶。ケインズの説明を聞いてお茶はある着想を思いつきます。
お茶が始めたのは、「船」に続く次の発明をすることでした。
お茶「これならこの世界を救えるかもしれない……」
Coming Soon.
<TEXT/菊池良 イラスト/タナカカツキ>