「無謀なZeppワンマン」を一人で成功させた里咲りさの生き様
アーティスト活動だけだと鬱になる
――里咲さんは経営や宣伝は誰かに任せて、自分は音楽活動に専念したいと思いませんか?
里咲:私、アーティスト活動だけに集中したら絶対、鬱になるんですよ。単純で地味な作業、メールチェックや入力作業、それこそCD-Rを1枚ずつ焼くとかそういう無心になれる時間がないと、創作だけで頭がいっぱいになっちゃう。
ひとつのことに集中できるタイプじゃないから。何個かやることがないとダメなんです。何個か手元にビジネスがあったほうが安定します。
――アイドルに専念したいとは思わないのですか?
里咲:片方にビジネスがあって、もう片方にアーティスト活動もあるっていうふうに両方ないとおかしくなると思ってて。
実際、少ナショが終わったくらいの時期はアーティスト活動とお金を稼ぐことが一緒になっちゃって、苦しかったんです。ファンの間でも「りっちゃんどうしちゃったんだろう」って空気があって。申し訳なかった。
今までも副業で稼がなきゃっていろいろやってきたんですよ。ビジネス好きなんで。
――どういうビジネスされるんですか?
里咲:いろいろですよ~、うふふふ(笑)。
とにかく里咲りさとしてやることと別に、社会の風にダイレクトに当たることが必要というか。里咲りさとして現場にいるとみんな優しいんですけど、社会に出ると風当たり強いんですよ!
だから「里咲りさ」と社会的な自分は分けて持っておきたいって感じがありますね。そうすることで正常な感覚で人と触れあうことができるんです。
【里咲りさ】
1992年9月25日生まれ。「店ガール9:50」独立後、個人事務所とレーベルを立ち上げシンガーソングライターとして活動。「少女閣下のインターナショナル」(2014~2016)の運営兼メンバー時代に、“ぼったくり物販”で注目。2017年にはZepp DiverCity TOKYOを個人名義でレンタルし、ワンマンライブを成功させた。最新情報は公式サイトで
<取材・文/安里和哲 撮影/山田耕司(本誌)>