失踪した娘をSNSで探し出せるか?ネット依存時代に27歳の鬼才現る
仕事でもプライベートでも、「パソコンやスマホ、SNSなしの生活なんて考えられない」という人も多いと思いますが、そんなデジタル依存気味の現代だからこそ生まれた最新の映画がいま注目を集めています。
その作品とは、最初から最後までPC画面の映像のみで展開するという新たな試みにチャレンジしたサスペンス・スリラー『search/サーチ』。2018年サンダンス映画祭での観客賞受賞を皮切りに、全米でのスクリーン数も一気に増えるなど、本国でも高い人気を獲得している話題作です。
SNSのなかにある娘の本当の姿とは?
16歳の娘マーゴットと2人暮らしをしているデビッドは、朝起きると娘から3件の不在着信があることに気がつきます。
ところが、折り返し連絡をしても娘からの反応は一切なし。その後、警察に通報するものの、家出なのか、誘拐なのか、有力な情報がつかめないまま37時間が経過してしまいます。
そんななか、娘の無事を信じるデビッドは、少しでも手がかりを探すため、娘のPCを開き、インスタグラムからフェイスブック、ツイッターなどあらゆるSNSへのアクセスを試みるのでした。しかし、そこで待ち受けていたのは、自分が知っていた明るく活発な娘とは、まるで別人の姿。次々と驚愕の真実が明らかになるなか、事態は急展開を迎えることに……。
隠されたヒントを見つけられるか!?
もはや不可能な映像表現はないのではないかと感じさせられるほど、最近はCGなどの技術も進化していますが、近年の映画界では全編iPhoneだけで撮影された作品が話題になったりと、アイディアもどんどん多様化しているところ。
そんななか登場したのが、全編PC画面という斬新さとサスペンスの要素を見事に組み合わせた本作です。
いまでは誰でも気軽にライブ配信を楽しむことができる時代ですが、まさにリアルタイムで進行しているかのような緊迫感やデジタルならではのスピード感を味わうことができるのがこの作品の魅力。物語が進むにつれて、事件の目撃者のひとりであるかのような錯覚に陥るほどの臨場感も体験することができるはずです。
巧妙に散りばめられた伏線と分刻みで二転三転するストーリーはどれもネタバレ厳禁なため、内容に関しては伏せますが、PCの画面だけですべての出来事を描き、これだけの長編映画に仕上げることに成功した監督の手腕と脚本、そして編集力はとにかく見事の一言に尽きます。