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20代はブランド財布を持つべき?お金の使い方、賢いのは?

コラム

使った実感のない「電子マネーの少額決済」に注意

自販機

 また、単純に“お金を使う”といってもさまざまなシチュエーションがありますが、そのなかでも「電子マネーの少額決済には注意が必要」と山崎さんは話します。

「数百円単位での少額決済は多くの人が『どれほどお金を使ったのか』という感覚を見失いやすいといわれています。特に注意したいのは電子マネーです。

 Suicaやnanacoといった電子マネーでの決済も日常的になってきましたが、自分が1週間でどれくらい使ったか感覚がつかみにくい。月曜日に銀行で1万円おろして現金で買い物をすれば『あと○千円くらいある』と感じやすいのですが、電子マネーはそういう感覚が持ちにくいんですね」

 一方で、山崎さんは「電子マネーが悪い、というわけではありません」とも。むしろ「ポイントがつく分、電子マネーは現金よりお得な買い物術ですから若い人はどんどん利用してほしい」そうですが、どう向き合うのが正解なのでしょうか?

「「この買い物は本当に必要か」ということを少額の買い物でも考えるクセをつけてほしいですね。レジに行く前、1秒でもいいので立ち止まって考えるといいでしょう。若いうちに金銭感覚を身に付ける上では実は重要なことだったりします」

ATMは手数料を無料にするための工夫を

yamasaki

ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さん

 お金をやり取りすべき場面で、もうひとつ気になるのがATMの使い方。山崎さんは「『手数料を支払わない』という意識が大切」だといいます。

「近ごろは銀行だけではなく、コンビニでも24時間ATMを利用できるようになりましたよね。ただ、そこで気にかけるべきなのは手数料で、108円ないし216円といった金額も積み重なれば数千円、数万円と膨らんでいきます。

 銀行によって異なりますが貯金残高や取引状況に応じて手数料無料になるサービスがありますから、これを絶対に活用して「手数料無料」にしたいものです。コンビニによって無料になったり、有料になったりすることもあるので、自分のキャッシュカードは『いつどこで下ろせば無料になるのか』を把握しておきましょう

 また、必要な金額だけを計画的に下ろすと共に、その際に下ろしすぎないようにするのも大切です。例えば、毎日1000円、週末に3000円でやりくりしようと考えている人なら、週に1回銀行で1万円をおろせばよく、何万円も財布に入れる必要はありません。

 コンビニATM手数料無料サービスの多くは月に4回まで手数料が無料になるので、どうしても足りないときだけコンビニを利用すればいいのです。財布にあるお金はずるずる使ってしまう可能性がありますから、できるだけ現金を持たないようにコンビニATMを利用してみてください」

 収入とのバランスをみきわめるのはもちろん、あらかじめ自分なりのルールを決めておくというのもATMの賢い使い方です。

 さて、いくつかの切り口から若い世代だからこそ押さえておきたい、お金の使い方を紹介してきました。いずれも日常生活のちょっとした心がけで、できるものばかり。今日からでも、ぜひ取り入れてみてください。

<取材・文/カネコシュウヘイ>

【山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ)】
AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ、中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。 難しいお金の話を分かりやすく伝える執筆や講演が好評。 近著に『共働き夫婦 お金の教科書』、『読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方』など。

フリーの取材記者。編集者、デザイナー。アイドルやエンタメ、サブカルが得意分野。現場主義。私立恵比寿中学、BABYMETAL、さくら学院、ハロプロ(アンジュルム、Juice=Juice、カンガル)が核。拙著『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)。Twitterは@sorao17

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