「週2回、働けば食うに困らない」ゴールデン街の老舗で働く女性キャストに聞く“お給料事情”
ゴールデン街で働くキャストにお給料事情について聞いてみた!
キャバクラやガールズバー、スナックなど、様々な形態がある夜のお仕事。実は新宿・歌舞伎町にあるゴールデン街で働く女性も多いようで、中には看板娘として注目を集めている女性キャストも。
そんな独特な雰囲気のあるゴールデン街では、どのような“お給料事情”なのか気になるところだ。そこで今回はゴールデン街の老舗「シャドウ」「珍呑」で2年以上働くあおさんに、現在の給与形態について取材をおこなった。
週5日も出勤しているあおさん… 決め方は「シフト制」
―あおさんは週にどのくらい出勤しているのでしょうか? また出勤日の決め方について教えてください。
「私の場合は月、火、水、金、日の週5日出勤で、基本は17~23時、金曜日は23~6時の時間帯に働いています。1階にシャドウがあって、2階に珍呑があるのですが、月と水はシャドウ、他の曜日は珍呑にいます。ちなみにシャドウと珍呑は姉妹店です。
私以外のスタッフは学生や昼職をしている人、劇団員など、いろいろなタイプがいるので、そういった人たちはマスターに出勤したい曜日と時間帯の希望を出して、シフトを組んでもらっています。普通のシフト制といった感じで、これといって特別なことはありませんね。
ただ私が働くシャドウ・珍呑はともに24時間営業で、20名以上の女性キャストが在籍しています。誰かが急遽休みになってしまった場合は代わりに出勤することも、たまにあります」
『シャドウ』『珍呑』のキャストの中でも、出勤している曜日が多いあおさん。あおさん自身も急遽出勤ができないこともあるそうだが、他のキャストが快く交代してくれることに感謝している様子だった。
たった週2回で食うに困らない?
―勤務した際は時給制なのか、それとも歩合制なのでしょうか? 話せる限りで大丈夫なので、給与形態について教えてください。
「2店舗ともに狭い空間ですが、やはり曜日によっては、かなり忙しい日があります。そういった曜日や時間帯にはメインのキャストに加えて、もう1人“アシスト”という形で出勤することもあります。
そこで給与形態が変わるのですが、メインの人は歩合制、アシストで入った場合は時給制です。やはりお客様がドリンクを入れてくれる時は歩合制の方が稼げるイメージなので、たくさん稼ぎたい人はメインで入りたいはずです。
あまり具体的なことは言えませんが、よくマスターは『週2回、メインで働けば食うに困らない』と言っていました。ゴールデン街はここでしか働いたことがないので、他のお店がどのような待遇なのかわかりませんが、うちはキャストに対する待遇はとても良いと思います。
たまにマスターから食品や化粧品、お菓子など差し入れをもらえるのもありがたいです(笑)」
“週2回働けば、食うに困らない”という事実に驚きだが、その言葉にシャドウ・珍呑がいかにキャストに還元しているかが窺える。
OLがもらう給与の2~3倍!?
―あおさんの経験や聞いた話で構いませんので、ゴールデン街のキャストとして働いて稼げる最高額がどのくらいになるのか教えてください。
「毎日働いてOLさんが普通にもらえる給与の2~3倍くらいでしょうか…。あくまでも私の推測にしか過ぎませんが、頑張ったら頑張った分だけ給与に反映されるので、すごい人なら想像を超える月収になっているかもしれません。
というのもお客様の数もそうですが、やはりお客様が入れてくれるドリンクによって収入が大きく変わってきます。例えばシャンパンを入れてもらったら、その額のうちの数割がキャストに収入になるワケで、変な話、100本とか入れてもらえたら、相当な稼ぎになりますよね。さすがにゴールデン街にキャバクラやホストみたいな遊び方をする人はいませんが、たくさん入れてもらえたらキャストとして嬉しいですね。
ちなみにうちのシャンパンは1本5000円で、他と比べたらそこまで高くなくて、気軽に楽しめるのが魅力的なところでもあります。たくさん入れてくれる人、お待ちしてます(笑)
まあ冗談ですが、うちのお店のスタンスはお客様に無理せず長く通ってもらうことなので、自分のペースで飲みたいお酒を頼んでもらえたら嬉しいです」
―最後にお聞きしたいのですが、女性キャストの前職はどのような業種や職種が多いのでしょうか? 何か傾向があるように感じますか?
「うーん…本当にバラバラですね(笑)
私の場合は広告代理店で働いていて、辞めた後に偶然知ったシャドウ・珍呑に勤めることになりました。
他のキャストは大学生、専門学校に通っている中でのアルバイトという感じで働いていたり、OLとして働いていたけど、ゴールデン街で飲むうちに楽しさにドップリハマってしまって、昼職を辞めてキャストとして働くようになった人も知っています。
他の店舗になりますが、出産して子供に手がかからなくなったために、働き始めた人もいましたね。言い換えてしまえば、どのような経歴でもゴールデン街は受け入れてくれるってことでしょうか」
頑張れば頑張るほど稼ぎにつながるという“ゴールデン街のお給料事情”。給与はもちろん大切だが、特殊な飲み屋街だからこそ、ゴールデン街にはお酒と人との会話が好きなキャストが集まりやすいのかもしれない。
<取材・文/田崎麻衣>
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【取材協力】
あお(生ハム子)
大学卒業後、広告代理店勤務を経て、ゴールデン街勤務を天職だと自覚する傍ら、酒場と人間に翻弄される毎日の中でブログや記事など多岐に渡って執筆中。大学在学中に神奈川県大井町観光大使「ひょうたん娘」を務め、2021年、ミスiD2021クリエイティブヒロイン賞受賞。
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