今カノとの初デートで訪れたミシュラン店で元カノと遭遇。LINEで無視を懇願した理由が意外
突然元カノが自分たちの席へ……
それから一時間ほどは何事もなく、それぞれの時間を楽しんでいました。そしてある時、元カノがゆっくりとした足取りで真斗さんたちのテーブルに近づいてきました。
「ちょうど俺の視界に入ってくるようにゆっくりと歩いてきたんです。目もばっちりと合いましたが、必死に逸して他人のふりをし続けました。まさか何か言おうと近づいてきてるんじゃないかと、内心肝を冷やして、ナギサとの会話が上の空になりました」
真斗さんたちのテーブルの前まで来ると、ぴたりと一瞬、歩を止めて、二人を見ました。ナギサさんは何事かとちらりと顔を上げて、元カノと見つめ合う形になります。
しかし、元カノは一言も言葉を発することもなく目線を外し、そのまま立ち去ってトイレへ向かってしまいました。
「ねえ、あの女の人なに?」
ナギサさんが真斗さんに尋ねます。
「さあ……?」
と真斗さんはしらばっくれました。ナギサさんもそれ以上気にする様子はありませんでした。
自分の気持ちを再認識した夜
ハプニングもあったものの、初めての誕生日は無事に終わりました。帰途につくと、真斗さんのスマホに元カノからLINEが入っていました。
「元カノはどちらかというと派手なものが好きで、高級なものに目がないタイプの女性でした。ナギサはラフな格好を好むので、会わせたくありませんでした。それに、今日のことで分かりましたが、変に気取ったりせずにいつも等身大でいるナギサと一緒にいると、自分も自分らしくいられてとても心地良いんです」
もちろん見た目の問題ではないと真斗さんは強調しました。ナギサさんのことは好きですし、内面も大好きなのだそうです。真斗さんは今回のことがあり、さらに元カノからも指摘されて、改めてナギサさんへの気持ちを再認識しました。
「やっぱり、俺、ナギサのこと大好きだなって思いました」
真斗さんは、一生を掛けてナギサさんとの幸せな生活を守ることを心に誓ったのでした。
<TEXT/ベルクちゃん>