役職が上がるにつれて、いつの間にか「ああはなりたくなかった人」に近づいてしまう。
傲慢でデリカシーのない本性が露呈
上司という立場になると、フィードバックを受けづらくなります。一緒に働くメンバーも気を使ってくれます。なので、どんどん自分の振る舞いや言動を省みることがなくなり、傲慢でデリカシーのない自分の本性が表れてしまうようになりました。言い訳にはなりますが、役職が上がるにつれて、プロジェクトの最終責任者になったりPL責任を負うことにもなり、「メンバーのことを考える」という心理的キャパシティが枯渇していくこともその一因かもしれません。
ともあれ、メンバーのときに思っていた「こういう人はイヤだな」という上司像に、自分自身がなっていると気付いたときは、本当にイヤな気持ちになりました。「仕事に行きたくない人」だった自分が、「仕事に行きたくない人」を増やす人になってしまうなんて……。
初心を忘れずにいたい
二度とそのような「イヤな上司」にならないように、と心掛けてはいるのですが、もしかしたら今でもふとしたときに傲慢なふるまい、デリカシーの無い言動はしてしまっている気がします。幸いなことに、そのような言動や行動を指摘してくれる人は今でもいるので、そのたびに反省はしていますが、なかなか完璧なふるまいをするのは難しいですね。
今、あなたがイヤな上司にイヤな気持ちをさせられているとしたら、「自分はそうはならないぞ!」と強く思っているかもしれません。ぼくも、悪戦苦闘しながらではありますが、「この人となら仕事を一緒にしたいな」と思っていただけるように努力しています。これを読んでくださっているあなたも、「完璧な人になるのは難しい」という前提はありつつも、「ステキな上司になるんだ!」という気持ちを忘れずにいていただければなと思います。
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お読みいただきありがとうございました。
<TEXT/Zenyum Japan代表取締役社長 伊藤 祐>
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