役職が上がるにつれて、いつの間にか「ああはなりたくなかった人」に近づいてしまう。
「普通に考えたらわかるよね」
ぼくは新卒でコンサルティングファームに就職しました。大して仕事ができるわけでもなかったので、上司や先輩からはいつも温かい指導を頂く日々。ぼくがいたコンサルティングファームは、キッチリスピーディーに仕事をする人ばかりで、先述のような上司はほとんどいなかったんです。ただ、指摘の仕方は結構キツい。
「なんでできないの?」「普通に考えたらこれやっとくべきってわかるよね」「もういいよ、とりあえずこれは巻き取るわ」みたいな感じですね。声を荒げて怒られるとか、理不尽な指摘をされることはほぼなかったと記憶しています。とはいえ、当時の自分は「もう少し優しくしてよ~~~」と思っていました。
自分は部下に優しくしよう!
もし自分のスキルや評価が上がり、昇進し、部下を持つようになったら、「わかりやすく」「優しく」「親身に」指導しよう! とも思っていました。パフォーマンスが上がらない人は確かにいますが、その人たちも意図的にパフォーマンスを下げているわけではなく、一生懸命やってもうまくいかないだけです。
それなのに、冷たい言い方や「詰める」ような指導をするのは、あんまりよくないんじゃないかな~と。それでさらに萎縮→積極性がなくなる→パフォーマンスが上がらなくなる→という悪循環にも陥りそうですし。
ぼくのように、20代前半でなかなかパフォーマンスを上げることができず、評価も高くなかった人は、同じように考えたことがあるのではないでしょうか。