どうしても会社に行けなくなった日のこと。
コンサル費用は月に数百万
「しっかりと説明しなかった方が悪い」「若手にはもっとサポートを充実させるべきだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながらそれは通りません。理解できなかったことをそのままにするというプロフェッショナリズムの欠如、追い込まれた結果心身の不調をきたしてしまった耐性のなさ、それはすべて自分の責任なのです。
冷たくドライに聞こえるかもしれませんが、コンサルティングファームはそういう場所です。最近は「コンサルティングファームのホワイト化」が喧伝されてはいますが、本質的にはこのようなある種の「突き放し」は変わらないと思います。それに、お客さまから月に数百万円というお金を頂いて働いている以上、すべてを自身の責任として捉えるプロフェッショナルの集まりであるべきとも思います。
ぼくはその後、なんとか立ち直ることができましたが、立ち直れずに辞めていった人たちも少なくないのです。コンサルティングファームで心身にダメージを受けてしまい、その後もうまくいかなくなるケースも十分に考えられます。「どうしてそんなにボコボコになったのに、立ち直ることができたのですか?」と聞いていただくことも多いのですが、正直なところ「運がよかった」としか言えません。そのときの詳細については、また別途お話したいと思います。
プライド捨てていきましょう
コンサルティングファームは、待遇や市場価値、成長環境という意味では素晴らしいです。ぼく自身、新卒で入社でき、そこで働けたことは心からラッキーでした。しかしながら、心身を壊してしまうリスクも、通常に比べるとおそらく有意に高いことも確かです。
自分の適性やマインドセットを客観視しつつ、本当にヘルシーに働けるのか、新たな環境に飛び込む際は少し冷静に考えてみたほうが良いのかもしれません。心身の健康以上に大切なものはないですし、一度壊れてしまったものを直すのは、並大抵のことではないのです。
もし、過去の自分にアドバイスするのであれば、「自分がバカであると開き直ろう」と言いたいです。わかってないのに「わかりました」、大丈夫でないのに「大丈夫です」と言うのは、周りから「コイツ、ダメな奴だな」と思われたくないからなのです。すごくシンプルに「バカ」「プライド」の二軸で序列付けすると、以下のようになります。
有能になる努力も大切ですが、それよりも手っ取り早いのは「自分バカです!でもがんばります!何でも吸収します!」と開き直ることです。それだけで、実は有能な人をごぼう抜きできる可能性が出てきますし、少なくとも「バカなのにプライド高い最悪な奴」にはならなくて済むのです。
==========
何よりも自分のために、プライド、捨てていきましょう。
<TEXT/Zenyum Japan代表取締役社長 伊藤 祐>