「留置場で思いついた」“低評価店グルメリポート”が話題のホストTikTokerを直撃
想像の10倍は動画が再生された
この店に行けば面白いコンテンツが作れる……そう確信したあすいさんは先輩と共に「低評価店」に足を運んだ。勘は見事に的中し、低評価店をレポートする内容の動画は、TikTokで約600万回も再生された。店の実態はというと、案の定評判通りで散々な思いをしたそうだ。
「2398円のカニの刺身を注文したのですが、小さなカニの足が2本、凍ったままの状態で提供されました。味も生臭いし……。もちろん他の料理も注文してみましたが、どれも価格と見合わないクオリティで……。
『不味くて高いものを食べて反響が一切なかったら最悪だね』と先輩と笑いながら話していたものの、想像の10倍は動画が再生されたので僕自身もびっくりしました。ここまでバズった理由は分からないのですが、自分でお金を払ってまでは体験したくはないけれども、低評価店を疑似体験する“怖いもの見たさ”を満たしているのかなと。
また、クリエイター側の視点でいうとTikTokはYouTubeとは違って、ライブ配信での投げ銭がメインの収益となり、純粋な動画の再生回数だけでは収益化ができません。そのため、まだクリエイターが少なく、誰も本格的に参入していないジャンルでコンテンツを作ったことがバズった理由なのかもしれません」
経費は有名になるための投資
最近では街で声をかけられることも増え、TikTok経由で指名に繋がった人は数十名ほど。徐々に反響が結果に結びつきある。
訪れた都内の低評価店はすでに40店舗に達し、まだ見ぬ低評価店を求めて地方にまで裾野を広げている。
「動画を撮りに北海道まで行ったこともあります。交通費や食費はかさみますが、全てはホストとして成功するための自己投資だと考えています。いろいろな店をまわる中で、普段当たり前だと思っていたことが、お店側の気遣いによって実現されていることに気がついたのも収穫です。ドリンクに刺さっているストローが飲みやすいように折られているだけでも嬉しい気持ちになりますね(笑)」