上場企業に潜む経営リスク…「老舗ベンチャーキャピタル」の泥沼対決が示唆するもの
次の戦場はゼネコンか
現在、シティインデックスイレブンスが熱心に株を買い集めているのが「東亜建設工業」。2023年1月5日に保有比率が13.45%から14.53%に高まったことが明らかになりました。東亜建設工業は中規模のゼネコンで、レインボーブリッジを手掛けたことで有名な会社。港湾工事などの海洋土木に強みを持っています。
旧村上ファンドは、同じく中堅ゼネコン「大豊建設」の株を2020年ごろから買い進め、40%近い株式を保有するに至りました。そして、ジャフコと同じく純資産を圧縮する施策などの提案を行いました。大豊建設は提案には応じず、アクティビストの引きはがしにかかりました。
その際にセメント事業などを手掛ける非上場企業・麻生がホワイトナイトに名乗りを上げ、第三者割当増資を引き受けました。その資金をもとに大豊建設は自社株買いを実施。シティインデックスイレブンスから株式を買い取っています。
<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>