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「ボトル缶」の販売が大きなヒットに。タリーズコーヒーが“根強く愛される”理由

ビジネス

競合他社との差別化をどう図るか?

 こうしたなか、スターバックスやドトールなどの競合他社との差別化はどのように図っているのか。工藤氏が挙げたのは「素材への徹底的なこだわり」だ。タリーズコーヒーは10年以上前からコーヒー豆の生産地に足を運び、現地の生産者と関係性を構築してきた。

コーヒー豆は農産物なので、その年の気象によって大きく生産量が左右されます。コーヒー豆の生産に関わる従事者の方と親密な関係を築いてきたことで『どんなに生産量が変化してもタリーズコーヒーさんには美味しい豆を届ける』と思っていただけるよう意識してきました」

 また、タリーズコーヒーは2001年から国内の工場でコーヒー豆を焙煎する「国内焙煎」を行っている。「コーヒーの味の3割は焙煎で決まる」。こう言われるように、焙煎の仕方が美味しいスペシャルティコーヒーを作る上で肝になるわけだ。

ロイヤルミルクティーに自信がある

タリーズコーヒー

タリーズコーヒーの人気商品である「ロイヤルミルクティー」

 そのほか、「ハンドメイドで素材本来の美味しさや味わいを届ける」ことを、ドリンクの商品開発におけるコンセプトに据えているという。

紅茶の商品であれば、お客様から注文を受けてから、一杯一杯しっかりと茶葉を抽出し、“出来立て”を提供できるように心がけています。特に定番人気の『ロイヤルミルクティー』は自信を持っており、コーヒーが飲めないお客様からも『タリーズにはロイヤルミルクティーがあるから行く』と好評いただくほど、評価の高い商品になっています。こうしたスペシャルティコーヒー以外の商品も作りたてを意識し、素材自体にこだわりを持っていることが、タリーズコーヒーの強みだと考えています」

 コロナ禍で消費者志向が変化するなか、タリーズコーヒーでは家庭用のコーヒー豆に着目し、ラインアップを拡充している。工藤氏は「おうち時間の増加で、『家庭で美味しい淹れ立てのコーヒーを飲みたい』という需要が顕在化したことで物販を強化した」と話す。

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