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携帯ショップに大淘汰が到来。「大手家電量販店」が買収で見出した活路

ビジネス

大量閉店もありえる?

コネクシオ

ノジマ「携帯電話販売事業」の売上高ほか推移 ※決算短信より筆者作成

 携帯電話販売事業の2022年3月期の売上高は前期比2.8%増の1879億円でした。増収とはなっているものの、2019年3月期と比較すると21.1%も減少しています。

 ノジマの携帯電話の販売店は2018年3月末の663店舗をピークとして、縮小に転じています。2022年3月末には585店舗まで減りました。市場動向を加味して閉店を進めているのもありますが、グループ内の競合店を閉鎖して1店舗当たりの収益性を高めているのでしょう。

コネクシオ

ノジマの携帯電話の販売店(西日本、アップビートはいずれも子会社の名称) ※決算説明資料より

 コネクシオの買収も、店舗の閉鎖をさらに進めて商圏の最適化を図る狙いがあると考えられます。大量閉店もありえるでしょう。買収後、ノジマの携帯電話販売事業は数年間にわたって売上高は縮小するものと予想できます

法人営業の強化で再成長なるか

 携帯電話の販売会社で、ただ1つとも言える活路が利益貢献の大きい法人事業でしょう。コネクシオは売上高が縮小しているにもかかわらず、赤字に陥らず一定の利益率を保っていました。これは消費者向けの販売の落ち込みを、法人事業が食い止めているため。

コネクシオ

※「コネクシオ」決算説明資料より

 コネクシオは、2020年3月期の営業利益において、消費者向けの事業で3億7000万円の減益となりましたが、法人事業は7億3600万円のプラス効果を生んでいます

 ノジマは携帯電話の販売店を閉鎖して社員を法人営業に集中。顧客開拓を進めて成長性を取り戻す。買収の主な狙いはここにあるでしょう。ノジマが仕掛けた2度目の携帯電話販売店の大型買収の行方に注目が集まります。

<TEXT/中小企業コンサルタント フジモトヨシミチ>

外食、小売り、ホテル業界を中心に取材を重ねてきた元経営情報誌記者。現在はコンサルタントという名の中小企業経営者のサンドバッグ役を務めるかたわら、経済の面白さを広く伝えるため、開示情報を分析した記事を書いている。好きな言葉は美食家・北大路魯山人の「硬め、麺少なめ、ニンニクマシマシ」

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