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コロナで会員3倍「宅麺.com」代表に聞く、有名ラーメン店を巻き込む野望

ビジネス

ジロリアンのための専用サプリも販売

――今後はどのようなビジョンを描いていますか。

井上:私たちの売り上げも大事ですが、まずはコロナ禍で打撃を受けたラーメン店のために、どれだけ力になれるかを考えています。私たちがすべきことは、ラーメンの店頭販売以外の収益源をラーメン店に提供すること。

 職人である店主さんには、とにかくラーメンを一生懸命に作ることに集中していただいて、あとは私たちが上手く商売にすることで、ラーメン店側にお金が落ちていくビジネスモデルを広げたいと思っています。

 ラーメン店の収益源を多様化する取り組みとしては、「宅麺.com」における通販以外に、お店の味を完全再現する弊社CK「宅麺クラウドキッチン」でのライセンス生産や、ジロリアンのための専用サプリ「G系ダイエットサポート ナシナシ」のレジ横販売などがあります。

海外進出時のトラブル防止をサポート

井上琢磨氏

井上:席数×回転数で上限が決まってしまうラーメンの店頭販売以外で少しでも売上がお店に入れば、収益もだいぶ違ってくるはずです。

 海外進出も私たちを介して、ラーメン店と海外をお繋ぎすることが目的です。多くのラーメン店主さんとお話をしていると、「海外に出店したけど、騙されてお店を取られてしまった……」という話が結構出てくるんです。ラーメン店が単独で海外展開するのは、言語の問題だけでなく契約書などのハードルもありますし、かなり難しいんですよ。

 私たちも海外に再びセントラルキッチンを設置して店舗販売すべきなのか、越境ECがいいのか、勝ち筋を模索していますが、海外に日本の豊かなラーメン文化を正しく発信していくサポートができればと思っています。

<取材・文・撮影/中野龍 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

1980年東京生まれ。毎日新聞「キャンパる」学生記者、化学工業日報記者などを経てフリーランス。通信社で俳優インタビューを担当するほか、ウェブメディア、週刊誌等に寄稿

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