真冬の北海道で路上で爆睡…見知らぬおじさんに助けられた泥酔男性の回想
通りすがりのおじさんに救われた
ただし、本山さんが覚えているのはここまで。実は、そのまま彼は雑居ビルの前で仰向けになって寝ってしまったのです。
深夜でも大勢の人で賑わうススキノですが、このとき彼が居た雑居ビルは中心部から少し外れた人通りのまばらな裏通り。下手をすると誰にも気づかれずに凍死の恐れもありましたが、突然「兄ちゃん、起きろーっ!!」との声とともに身体を揺すられ、頬を叩かれます。
「目を開けると、40代くらいの男性が私の顔を覗き込むように見ていて、ホッとした様子で『あんなところで寝たら死ぬぞ』と言われました。そこではじめて自分が寝てしまったことに気づきました」
相乗りで帰宅することに
本山さんは男性にタクシーを拾おうと大きな通りに向かう途中、ここで休んでいるうちに寝てしまったことを説明。実家のある地域を告げると、「俺ん家に向かう通り道にあるから途中まで一緒に行こう」と誘われ、男性と同じタクシーに乗り込みます。
「その方も私のように若いころ、真冬に半地下になっている地下鉄の入口の階段で眠ってしまったことがあると話していました。だから、他人事には思えなかったそうです。私と違って『強めの往復ビンタで起こされた』と話してましたけどね(笑)」
なお、実家の前までタクシーで送ってもらいましたが代金を渡そうとすると、男性は「通り道だから気にすんな!」と最後まで受け取りを拒否。仕方なく好意に甘えることにしたそうです。
「もちろん、助けてもらったことも含め、お礼の言葉は何度も述べましたが、『たまたま見かけただけだし、気にしなくていいから』って。さも当たり前のように話すのがカッコよかったですね。『女性だったら惚れてます』と言ったら笑ってました」