真冬の北海道で路上で爆睡…見知らぬおじさんに助けられた泥酔男性の回想
繁華街やその周辺では、公園のベンチや路上などで酔いつぶれている人をたまに見かけますが、注意しなければならないのは冬場。介抱する人がいない場合、そのまま凍死する恐れがあるからです。
厚生労働省「人口動態統計」(2020年)における凍死を含む《自然の過度の低温への曝露》で亡くなったのは1054人。ちなみに死亡時の気温との関係についてはかなり古い資料ですが、1978年に発表された「東京都における凍死症例の検討」という論文によると、大半の凍死は気温11度以下で起きており、酩酊状態だと15~19度で発生したケースもあると報告されています。
何杯飲んだかは覚えてない
実家が札幌の本山則夫さん(仮名・30歳)は、就職2年目の正月に帰省した際、あわや凍死しかけた経験を持つとか。いったい何があったのでしょうか?
「数年ぶりに高校時代の友人たちと集まってススキノで飲んだんです。夜7時過ぎから居酒屋で飲み始め、カラオケボックスに移動。何杯飲んだかは覚えてないですが、締めのラーメン屋でもビールを注文していたので相当飲んでいたのは間違いありません」
裏通りの雑居ビル入口でウトウト…
「お酒はもともと好きで、日頃からよく飲んでいましたが、この日は久々に昔の仲間と会えたのが嬉しくていつも以上にお酒が進んでしまって……(苦笑)。ただ、ラーメンを食べてる途中で強烈な睡魔に襲われ始めたのは覚えています」
店を出たところでお開きとなりましたが、時間はすでに深夜2時。地下鉄やバスも走ってない時間のため、タクシーで実家まで帰るつもりでしたが、睡魔はますます強くなる一方。そこで雑居ビルの入口で壁にもたれかかるようにして休むことに。最初は立っていましたが、その姿勢でいることにも疲れ、地べたに腰を下ろしたといいます。
「ちょうどビルの入口と道路の間の部分で雪は積もっていませんでした。年末の深夜で雪も降っていたので気温は確実に氷点下だったと思いますが、このときはダウンジャケットにインナーはヒートテック、さらにニット帽にマフラーと防寒対策はバッチリで寒さはあまり感じませんでした。むしろ、頬っぺたなどに感じる冷気が心地いいくらいで、そのまますぐにでも眠れるような状態でした」