ゴムと相性の良いゼリーを開発

ZONEに塗布されている「ステルスゼリー」はゴム全体を覆い隠してくれる

ZONEが他のコンドームと最も異なる点は、ジェクスが独自に開発した「ステルスゼリー」が付いていること。このゼリーはラテックスとの相性がよく、コンドームにしっかり密着することで男女共に使用時の違和感を解消するというもの。ZONEの特徴を生み出しているのだが、開発に多大な苦労と時間がかかったそうだ。

「何度も処方改良を繰り返し、やっとのことで現在使用されているゼリーにたどり着きましたが、今度はラテックスのゴムに悪影響を及ぼしてしまいました。そこで改良を繰り返してラテックスとの相性の良いゼリーを開発しました。工場で量産ができなかったなどの問題も抱えながらも、なんとか完成品のコンドームが出来上がりました」

そして、いざモニター調査をしてみると、女性からの評判は「摩擦感がない」「ゴム感がない」と上々。しかし、想定外だったのは男性からも「気持ち良い」という意見が寄せられたこと。「男性が快感を得にくい」という当初の目的とはずれてしまう結果に。

できたのは「男性も女性も気持ちいい」コンドーム

「正直、なぜ男性も気持ち良くなれたのかさっぱり分かりませんでした。当初は潤滑性の高いほうが男性側の快感が落ちるという仮説だったのですが、ものの見事に覆されてしまいました。想定外の事態になってしまいましたが、『これはこれでいいのでは？』ということで商品化することにしました」

ちなみに商品に使用されているラテックスは特に薄いものではないため、社内からは「薄くないのにゴム感がなくなるのはおかしいのでは？」という意見も。そこで、説得性を出すために0.01mmなどのポリウレタン製コンドームを使っているモニターを集めて調査。幸いにも「男女の満足度」「ゴムの感覚を感じない」「摩擦による違和感がない」の項目で男女共にほぼ100％という結果になった。

「一流スポーツ選手の『ゾーン状態のような最高のパフォーマンスが得られるコンドーム』ということで、ZONEという名前になりました。また、パッケージはコンドームの新しい時代への夜明けというイメージの包装にしています」