ライフ、マルエツ…「食品スーパー」3社が苦戦する背景。物価高よりも“頭が痛い”のは
コロナ禍の2020年期は店舗数増加で増収に
2020/3期から2022/3期の業績は次の通りです。
【株式会社バローホールディングス(2020/3期~2022/3期)】
売上高:6781億円→7302億円→7325億円
営業利益:155億円→256億円→212億円
最終利益:64.8億円→125.9億円→90.1億円
売上高(スーパー事業):3727億円→3962億円→4055億円
売上高(ドラッグストア事業):1394億円→1506億円→1525億円
売上高(ホームセンター事業):1143億円→1302億円→1229億円
店舗数:298店→297店→312店
主にスーパー事業に注目して業績推移を見ていきましょう。2020/3期は小規模業者の子会社化のほか、ドミナント戦略で展開している既存店の改装を進めました。
既存店の売上高は横ばいだったものの、子会社化に伴う店舗数増加が寄与し、事業全体では増収となりました。ちなみにドラッグストア事業は期末でコロナ対策としてのマスク・除菌グッズの販売が増収に貢献しています。
「特売期間を設けない」施策を導入
翌2021/3期はライフ同様、内食需要・巣ごもり需要に支えられて増収となりました。店舗数は1店舗減となったものの、既存店売上高が6%も増加したことが大きく影響しています。
なお、既存店に関しては生鮮部門を際立たせる売場作りを進めるとともに、販促施策としてEDLP(エブリデー・ロー・プライス)導入店を増やしました。
EDLPは特売期間をつくらずに年間通して低価格で商品を提供する施策であり、特売日を設けて集客を図るHILO(ハイ&ロー)とは対照的な手法です。同年度はコロナ関連でドラッグストアも好調となったため、全社業績では大幅な増収増益となりました。