ルイスさんは後日、その中国人女性と京都駅で待ち合わせすることになりました。

「京都駅で待っていたのですが、約束の時刻には女の子はいなく連絡も返って来ない。待ち合わせ時刻から2時間くらいが過ぎた頃、ようやくすっぽかされたことに気がつきました……。その後何通かメッセージを送ったのですが、一度も返信は来ませんでした」

　ようやく会う約束できたと思っても、ルイスさんのようにすっぽかされてしまうというケースもあるようです。

気軽さに惹かれる人が多い「Tinder」

　マッチングアプリの種類によっても利用者のタイプがかなり異なってくるようです。

「Tinder」は男性も無料で使えるということもあり、登録などに料金が課せられるマッチングアプリと比べると軽い気持ちで利用するユーザーが多いようです。ルイスさんはなぜ「Tinder」をチョイスしたのでしょうか？

「日本にいる間だけの、ドキドキを楽しみたいということで、Tinderを利用しました。結婚とかじゃなく、気軽に利用できそうなアプリを選んだんです」

　なかなか日本人女性とマッチできなかったルイスさんですが、最終的には会うことができたそうです。

「マナミさん、英語を勉強中の東京の大学生です。最初は僕からメッセージを送り、日本語で『はじめまして、どうぞよろしく』と送りました。すると、今度は向こうから英語で、『Where are you from?』とかいろんな質問がきたので、そこでお互いのことを話しましたね」

　メッセージのやり取りを始めて3日ほど経った頃、マナミさんのほうから直接会う誘いがありました。

「英語の勉強のために会ってくれないかと言ってきたので会う約束をしました。彼女から誘ってくれたことが本当に嬉しくて、京都から東京行きの新幹線のチケットをすぐに買いました（笑）」

待ちに待った日本人女性とのデート！しかし…

　そしてついに約束の日。ルイスさんとマナミさんは原宿駅前で待ち合わせをしたそうです。

「原宿駅の前で待っているとマナミさんが現れました。写真よりもずっとセクシーで、髪型はショートカット。まさにワンピースのナミのような女性だと思いました。しかしよく見ると……隣にはなぜか男も一緒にいたんです！ その男も英語の勉強のために一緒に来たようで。Tinderで出会ったんだから男を連れてくるなんてルール違反じゃないか！ と心の中で叫びましたが、素敵な女性の前ということもあり何も言えませんでした」

　この日は3人で原宿の竹下通りでプリクラを撮ったり、明治神宮や代々木公園を散歩したりして、男性の存在にモヤモヤしつつも結局東京観光を楽しんでしまったそう。後日、“3人の”LINEグループが作成され、そこでも親切に英語を教えてあげているというルイスさん。

　いまやマッチングアプリは恋人や結婚相手を探すだけでなく、英語の勉強や、観光案内を目的に利用する人も多いようです。選択肢のひとつとして考えてみるのは良いかもしれませんが、今回のルイスさんのケースでは無料の英会話教師として利用されてしまったようで、若干気の毒でしたね。ルイスさんに早く良い人が見つかりますように……。

＜取材・文・イラスト／中西トモナオ＞