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累計で十数万基…“歌舞伎町ドリーム”を支える「シャンパンタワー職人」の裏側に迫る

ビジネス

ふわっとしたオーダーにも全力で応える

 また、そのお客さんは変わったオーダーをすることがたびたびあるという。

「依頼内容としては、某有名カードゲームのキャラクターがテーマだったのですが、そのキャラクターをイメージしたものではなく、『キャラクターが住んでいるであろう城』をイメージしたデザインにしてほしいというものでした。早速、お城のイメージを調べていたのですが、なんとお城は作中に登場していないことが判明しました(笑)。そもそも、そのキャラクターが実際にお城に住んでいる設定かどうかすらも分からないんですよね。

 当然、デザインの正解もありません。その時はキャラクターのイメージから推測して、架空のお城のデザインを作成しました。自分の中の中二病精神を爆発させましたね(笑)。結果的にご満足いただけたので、ホッとしました」

夜職プレーヤーに変化の兆候が

Gotham

いずれ生で眺めてみたいものだ

「歌舞伎町ドリーム」という言葉もあるように、何者でもなかった1人の人間が自分次第で成功を掴める夜の世界。夢や目標のためにナイトビジネスに飛び込んでくる若者は今も昔も少なくない。

「メディアへの露出が増えてきたこともあり、2010年頃と比較してかなり身近なものになってきている気がします。その影響もあってか、何か明確な夢や目標を持って夜のお仕事を始める方も増えてきていて、そこで稼いだ資金を使って事業を始めるといった、新しい挑戦をする方も少なくないです。

 ゴッサムは一見すると、単なるシャンパンタワー業者だと思われがちですが、実際は“お客様の思い出のシーン”を作る会社なんです。夢を持った方々が大切なイベント行事で大きな成果を残せるようなお手伝いができていることに誇りを感じますし、一つひとつのオーダーを大事にしていかなければならないと思っています

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 どんなに予約が立て込んでいたとしても、新規の依頼を基本的に断らないスタンスだという「ゴッサム」。決して安いサービスではないため、軽い気持ちでは頼むことはできない。しかし、いつの日かこれまで彼らが積み重ねてきた努力の結晶でもある至高のシャンパンタワーをいずれ間近で眺めてみたいものである。

<取材・文/夢見リオン 編集/ヤナカリュウイチ(@ia_tqw)>

普段はベンチャー企業のなんでも屋会社員。夜の世界で働く人々のキャリアを取材する。自身もれっきとしたホス狂い。フットワークは人一倍軽い
Twitter:@miitann1212

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