脱中国する富裕層を直撃「コストは1000万円ちょっと」1年で永住権獲得した“猛者”も
日本に移住、起業3か月で売上1億円超え
また、今年4月に日本の地方都市に移住し電子機器開発の会社を立ち上げた、上海出身の李さん(仮名・37歳)。起業3か月ですでに売り上げは1億円を超えた。
16歳の頃からすでにパソコンの修理などの商売を始め、年間約100万元(約1700万円)の収入を得ていた。法律で認められる18歳で登記した後は、名門大学の「同済大学医学部」を卒業。「神童」の名をほしいままにしてきた。
「私はビジネスマンなので政治についてはノーコメント。ただ、中国はエンジニアにとっても統制が厳しく、新しい技術を得られる環境ではない。加えて、日本のアニメが好きだったこともあり、日本への移住を決めました。地方都市にしたのは、研究には静かな環境が不可欠だからです」
「会社を没収するならどうぞ」と強気の姿勢
中国ではすでに年商30億円の会社を持っているが、帰るつもりはないという。アリババのように政府に介入されたら?という質問には、「やるならどうぞ、という感じ。私は頭ひとつあればどこでも再出発ができるので」と、どこ吹く風だ。
日本人との交流を望んでいるかについては、「愚問だね。中国人は交流をする民族だから。日本語はまだ下手だけれど、輪に入れるように努力していますよ」と話す。日本の新会社のスタッフは日中を含めて数人だが、「いずれ地元の雇用も増やしたい」と語る。
底抜けに逞しい「潤」の人々。その存在は中国共産党にとっても脅威となりそうだ。
<取材・文・撮影/週刊SPA!編集部 写真/©Tulipmix ©RobertWei ©Wirestock>
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