「ミスをしたら坊主に」師匠・三遊亭圓歌を訴えた元落語家に聞く、パワハラ告発の真相
落語が嫌いになったわけではない
――圓歌さんからの謝罪はあったんですか?
天歌:ありません。裁判の中でどのような主張をされるか見るしかないですね。
――今後も、落語は続けたいですか?
天歌:はい! 2月以降は精神的にも落ち込んで、気力が沸かない時期もありましたが、私の環境が理不尽だっただけで、落語が嫌いになったわけではありません。それに、声をあげたことで、応援してくださるお客様がいることがわかったので、また、やりたいです。
ICレコーダーのボタンを押す時は毎回嫌な気持ち
――好きな落語、信じて入った師匠を、実名で訴えるというのは、複雑な思いが生まれそうですね。
天歌:ICレコーダーの録音ボタンを押す時は、毎回嫌な気持ちでしたよ。ツラいですけど、乗り越えなくてはいけないところでしたね。
――実際にその場にいると、落語や師匠を裏切っているような気持ちにもなりそうですね。それでも行動できたのはなぜですか?
天歌:この理不尽な状況を打開したいというのがもちろん一番です。しかし今は、落語協会がもっと健全で風通しのいい世界になってほしいとも思っています。
――訴えて声を上げることで、落語を悪者にしてしていると見る人も出てきそうです。
天歌:協会の中では「師匠が弟子をとるときのリスクが高まる」という声もありますが、むしろ今回のことでしっかり対策がなされて、志願者が安心して入ってこれるのが大事なので、さらに進めていければいいと思います。