「ミスをしたら坊主に」師匠・三遊亭圓歌を訴えた元落語家に聞く、パワハラ告発の真相
落語協会はどう動いたのか
――会社員なら上司のパワハラを会社に訴え出ることもあると思いますが。
天歌:私も落語協会に相談しました。しかし「師弟間の問題には立ち入ることはできない」という立場の返答だけで、「師弟間で解決できないから頼っているのに」という思いが強かったです。
――そもそも協会は、一般の会社がやっているようなパワハラ防止の取り組みはやっていたんですか?
天歌:ないと思います。私が弁護士さんを通して、その点について内容証明を送っているんですが、会長は「夏の寄り合いでやっていた」としきりにおっしゃってるだけで。夏の寄り合いは単なる親睦会で、10回以上は参加していますが、パワハラ対策なんて1度も聞いた記憶はありません。
TKOの木下さんがペットボトルを投げた話
――協会は何をもって「やっていた」と主張しているのでしょうか?
天歌:「寄り合いで、TKOの木下さんがペットボトルを投げた話をした」ということを対策だとおっしゃっています。しかし、話題をちょっと出したという程度で、法律の基準には全く達していないということがわかりましたね。
――実名で告発してからは、協会の反応も変わってきたようですね。
天歌:協会所属のメンバー向けに説明会があったので、あまり期待せずに参加しました。経緯の説明だけだと思っていたのですが、対策に取り組むことまで明言されていたので、衝撃を受けました。
会長は、特定の会員の肩だけを持つわけにはいかないので、気を使って言葉を選んでいらっしゃる印象でした。しかし、協会の弁護士さんが、対策に対して「やります」とはっきりとおっしゃったので、動いてくれそうな雰囲気を感じました。