「ミスをしたら坊主に」師匠・三遊亭圓歌を訴えた元落語家に聞く、パワハラ告発の真相
落語家として10年以上のキャリアを持つ元・三遊亭天歌さん(@yusaku3dayo)は、師匠であった四代目・三遊亭圓歌のパワハラと暴力を告発し、訴訟の準備をしているという。
“閉ざされた”と言ってもいい徒弟制度の世界の中で何があったのか。そして、なぜ告発するに至ったのか、本人の口から語ってもらおう。
ミスをしたら坊主にさせられ…
――まず、三遊亭圓歌さんに弟子入りして、最初に違和感を覚えたのはいつですか?
元・三遊亭天歌(以下、天歌):入門して数か月が経ったころでした。私がミスした時に「坊主にしなさい」と言われ、「さもなくば破門」ということだったので坊主にしました。落語業界に入るまで、割と長い社会人経験があるんですが、言われたことがなかった言葉でしたので。
――確かに、会社でミスをして坊主という罰は聞きませんね。
天歌:そこからは、ミスをするたびに破門を突きつけられ、それが嫌なら坊主にするように命じられるという事態が続きました。
落語界は「やり直しがきかない」
――他に、ハラスメントだと感じたのはどんな時ですか?
天歌:大声で怒鳴られることはツラかったです。ミスに対しての罰が大きすぎると感じることも多くありました。大声で怒りが収まらない時は、暴力を受けることも少なくなかったですね。
――それが10年以上。辞めるという選択肢はなかったんですか?
天歌:落語界は、基本的にやり直しがききません。入門した師匠の元を辞めて、他の落語家の弟子として入り直すということが、極めて難しい世界です。夢だった落語の世界は諦めきれないので、辞める選択肢は持てませんでした。