眞栄田郷敦22歳が語る、デビュー当時「父親が環境を作ってくれたけど反発も」
サックス奏者から芝居の道へ
――眞栄田さんは、プロのサックス奏者を目指していたとか。そこからお芝居の道に転換したわけですが、当時、挫折感もありましたか?
眞栄田:めちゃくちゃありました。僕は本当に音楽しかやってこなかったので。大学への受験に失敗して、「この先、本当にどうしよう」という感じでした。
――ちょうどそのタイミングに俳優への声がかかったそうですが、タイミングがずれていたら、浪人してサックスを続けていたかも?
眞栄田:高校生のときに芝居のお話をいただいていたら、絶対にやってなかったですし、逆にもっと先だったとしても、サックスをもう1年頑張ってみようとなっていた可能性があります。(受験に)落ちたその春に声をかけていただいたので、本当にタイミングですよね。父親(千葉真一)が導いてくれて、環境を作ってくれました。ただ、最初は迷っていたんです。中途半端なことはしたくないので。
最初は「勝手に進められた」と反発も
――そうだったんですね。
眞栄田:正直、最初は嫌でした。勝手に進められたという反発もあったんです。でも今振り返ってみると、すごく有難いことで、10年近く楽器だけをやってきて、そこから全く違う道に進む選択をするのは、自分では絶対に無理でした。とにかく「一度本読みを」と言われて、やってみたときにできなくて、悔しさを知って、魅力も知って、同世代で芝居をしている人たちの凄さもわかって、どんどんこの仕事に引き込まれていきました。
――実際にお仕事をするようになって、大切にしている信念はありますか?
眞栄田:自分だけじゃできない仕事です。映画もドラマも、人と人との関わりがあってできるものだから、そこは一番大事にしたいと思っています。挨拶や感謝といったことは当たり前だとして、作品に携わらせていただく以上、100%全力で向き合いたい。それができていないと絶対に分かってしまうし、逆に、向き合っていることも伝わると思うんです。だから、人と作っているということを忘れずに、感謝の気持ちとこだわりを持って仕事をしていきたいです。