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受講料27.5万円ライタースクールが突如廃業。被害生徒から悲惨な嘆き「妻にもまだ話せてない」

ビジネス

 自由な働き方を求めてフリーランスへの転身を夢見る人は多い。需要を見越してか、株式会社諸花は2022年6月、ライターを育てるスクールとして「カケルスクール」をスタートした

カケルスクール

画像は公式サイトより

 しかし、受講生の期待とは裏腹にカケルスクールは9月下旬に突如廃業し、諸花は倒産してしまう。受講料は戻ってこない可能性が高く、払い損になった受講生の悲痛な叫びがTwitterに寄せられている。

 今回の件については、諸花から声明が出ているわけではなく、当事者でなければ状況を把握するのは難しいだろう。今回、カケルスクールの受講生にコンタクトを取り「事の経緯や現状」について聞いてみた。

妻に内緒で借金をして入会したが…

 カケルスクールでは、受講期間中に有償記事の執筆を任せてもらえるため、ライティングスキルを磨きながらお金を稼ぐことができるカラクリだ。加えて、全てのカリキュラムを終えた後も、有償記事の執筆依頼は継続してもらえ、卒業して仕事不足に困る心配もない。そのため、27万5000円(税込)の受講料を払って入会する人は少なくなかったようだ。

 だが今回、カリキュラム終了後に描いていたであろう未来が、残念ながら打ち砕かれる結果となった。30代男性の安藤さん(仮名)は、数か月後には現在の仕事を辞めて、フリーライターとして活動する予定だったという。

「妻から入会を反対されていましたが、カケルスクールに入ればすぐに返済できると思い、内緒で消費者金融から30万円ほど借金して受講料を支払いました。今は借金だけが残り、妻にもまだ話せていません

クラウドワークスで“案件”を見つけた

タイピング

画像はイメージです

 そもそも、カケルスクールに入会した経緯として、クラウドワークスで「文字単価5~10円の記事執筆」という案件を見かけて応募した、と安藤さんは言う。

「書類審査、アンケート審査の後に行ったWeb面談の際に『この案件を得るためにはカケルスクールに入会して、カリキュラムを受講してください』『全てのカリキュラムが終われば業務委託契約を結び、フォローアップ代金月3万3000円を株式会社諸花に振り込むことで、平均1.5万円の案件を毎月30本必ず受注できます』と言われました。その言葉を信用して契約に進んだんです」

 ちなみに、クラウドワークスでは「外部サービスの宣伝のため、当サービスに掲載されること自体を目的としているもの」を禁止事項としている。つまり、そもそも不適切な方法で集客を行っていたと言える。

 クラウドワークスで営業代行を受諾していたのは株式会社CENTOという企業。10月1日に公開されたリリースによると、同社は諸花とは資本関係があるわけではなく、「利用規約に反する内容での集客活動を実施していた」「スクールの実態確認が正確にできていなかった」「取引名前の信用情報確認を行っていなかった」と陳謝している。

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