若者が恋愛できないのは「忙しすぎるからだ」
恋人がほしい女性が起こすべきアクションは?
――アクションとは?
柳下:世代やライフステージでもだいぶ変わるので、一般論にはしにくいのですが、女性は言い寄ってくる男性を待つよりも、自分から「すこし気になる」くらいの男性に声をかけたほうがいいです。それで付き合ってみて、生活感、仕事観、家族関係、友人関係などで脈がなさそうだったら忘れる。
そのサイクルを回転していったほうがよいと思います。暴論のように聞こえるかもしれませんが、大丈夫です。どうせ、情が移ればあとから好意の最大値は上がるし、最初の温度が高すぎると、あとから冷めたときにリカバーしにくいので、最初は「すこし気になる」くらいでいいんです。あの人なら「手を繋げる」っていうレベルでいいです。
なんで、仕事の話から、こんな話になっちゃったんだろう。本当に何様のつもりだ僕は(笑)。
――かなり実践的なテクニックですね。
柳下:今、東京って「アラウンド40ダブつき問題」があるんです。仕事ができる女性ほど、30代のキャリアを築くタイミングで、恋愛から縁遠くなって、仕事一辺倒になってしまう。これは、女性のせいではなくて、構造的にそうなるんです。
僕、10代、20代、30代、40代、50代の女性や男性と1日過ごしたり、アテンドするという訓練をしています。とてもタフなタスクですが、自らに課しています。
――それはどういう狙いなのですか?
柳下:もともと自分の興味の幅を広げるために始めたのですが、これ、難しいんです。ただお金を使えばいいわけでもないし、何か共通言語を見つけなくてはいけない。
たとえばPerfumeはそれなりに幅広い世代に伝わりますが、(韓国アイドルの)BIGBANGだと、僕のほうが「なるほど、こういうカルチャーなのか」って感心してしまう。世代が離れた女性のもてなし方って本当におもしろいです。
――そうやって、若い世代でもプライベートを充実させるアイデアありますか?
柳下:僕が20代のときは恋愛に使えるお金はほとんどありませんでした。けど、その分、時間はあった。今の20代は、時間もお金も本当にないですよね。だから、「可処分時間」をうまくコントロールすることがコツだと思います。
もし僕が20代だったら携帯なしで1週間生活してみたいですね。実は先週、携帯を持ち歩かずに生活したんですが、意外に面白くて。やっぱりスマートフォンって、すごい中毒性があるんです。友達や恋人とのLINEの時間を削ったら、それなりに余暇が生まれますよ。
――たしかに。自分もついLINEで時間を無駄遣いしてしまいます。
柳下:(ドイツの児童文学作家)ミヒャエル・エンデの『モモ』という寓話に「時間どろぼう」というキャラクターが登場します。いつも葉巻を吸いながら街を歩いて、いろんな人の時間を奪って、その時間で生きている悪役です。けど、そうやって時間は、僕たちの知らないうちに削られているのだと思います。
――なるほど、気をつけます。では、最後に恋に悩んでいる20代にオススメしたい本を教えてください!
柳下:全部で3冊あります。まず男性にオススメしたいのが水野敬也さんの『LOVE理論』です。
非常に身体性のある本で、実用書としてオススメな一冊です。最後に「戦場のメリークリスマス理論」という袋とじがついていて、あるメッセージが書かれています。ここまでやるのか! という内容ですが、その通りに従って結婚した知り合いが2人います(笑)。