1億円で落札も…日本産ウイスキーはなぜ海外で人気なのか?美味しく飲むコツも
約1億円で落札されたことも
――どんな特徴があるんですか?
栗林:それまでの日本のウイスキー像とは違って個性的です。銘柄はいくつかありますが、ミズナラの木の樽で作ったものは、お香のような香りが立ち上がります。ミズナラは、日本と朝鮮半島の一部にしか生えていないので、海外のウイスキーではこの香りは出せません。例えるならば、サントリーやニッカが、TOYOTAやNISSANなら、イチローズモルトは光岡自動車ですね(笑)。
――インディーズ感(笑)。しかし、それが世界的人気になったんですね。
栗林:本当に凄い人気で、イチローズモルトが54枚のトランプになぞらえて54種類の樽でウイスキーを作りました。この54本セットが、香港のオークションで約1億円(7192千香港ドル、2019年当時)で落札されたほどです。
――飲みたくなってきますね。
栗林:今は異常な人気で、イチ・ニ・サンのウイスキーは本当に品薄です。うちでも、ほとんど店頭に出ません。サントリーとニッカは年数表示のない安いものが稀に入荷され、イチローズモルトもたまに入ってくる程度です。
ハイボールを美味しく飲むコツは?
――さて、ハイボールでウイスキーを飲む人も多いです。美味しく作るコツがあれば教えていただきたいのですが。
栗林:とにかく氷です。自宅の冷蔵庫で作った氷はすぐに溶けるのであっという間に美味しさが損なわれますが、じっくり凍らせれば溶けるのも遅くなります。高級なバーなどで使っている氷は、48時間くらいかけて凍らせるのでなかなか溶けずに美味しさが長く保たれますよ。
――家飲みでそういった氷を手に入れるのは難しいですね。
栗林:コンビニに売ってある氷でも、24時間くらいかけて作っているので十分です。あとは、グラスもソーダも冷やしておき、なんならウイスキーも冷蔵庫で冷やしておいたほうがいいです。僕がハイボールを飲むときは、一通り冷やして氷を入れずに作りますよ。
――氷は必須だと思っていました。
栗林:ハイボールは炭酸なので、ビールと同じで清涼感を楽しむものです。ビールに氷は入れませんよね? 缶のハイボールにも氷は入ってません。家で作るときも全部を冷やしておけば氷はいりません。