“稼ぐ力”は大手コンビニ以上なのに…「スリーエフ」3期連続の赤字のワケ
子会社の支配力を失ってしまう…
スリーエフは540店あった店舗のうち90店舗を「ローソン・スリーエフ」に転換。さらに2017年6月にスリーエフ281店舗を「ローソン・スリーエフ」に転換するため、L・TF・PJという新会社を設立します。
この会社は2018年2月にエル・ティーエフに吸収合併されますが、その際にL・TF・PJの普通株式10000株に対してエル・ティーエフの普通株式149株が割り当てられたため、スリーエフの所有割合が51%まで低下しました。
スリーエフは「ローソン・スリーエフ」の収益力が高いことを背景として、ブランドの転換を矢継ぎ早に進めました。その一方で、子会社エル・ティーエフの支配力を失っていったのです。
ローソンやファミリーマートよりも稼ぐが…
スリーエフは運営する340店舗のうち、直営店は16店舗のみ。324店舗は加盟店で成り立っています。フランチャイズ加盟店でビジネスを展開している点は競合のコンビニ会社と同じです。
フランチャイズで最も重要な指標となるのが1店舗あたりの日販。ほとんどの会社は、加盟店の粗利に対して数十パーセントのロイヤリティ収入を得ているためです。日販を多くすればするほど粗利が大きくなり、本部の取り分も多くなる仕組みになっています。
実はスリーエフ(「ローソン・スリーエフ」)の日販は、競合他社と比較しても決して悪くはありません。2022年2月期は54万3000円でした。ローソンの49万7000円、ファミリーマートの50万9000円を上回っています。