“地球温暖化”の専門家が生んだ超巨大「脱炭素ビジネス」の裏側
人為的地球温暖化説がもたらしたもの
「このまま放置すれば、21世紀に入るころには地球全体で危機的な温度上昇を招くことになる」というハンセンの警告は恐ろしげではあるけれど、そんな地球温暖化が「人為的」に起きたものであるのなら、その解決も「人為的」にしなければならないという理屈は説得力をもつ。
かくして、1992年には「地球サミット」(環境と開発に関する国連会議)がブラジルのリオデジャネイロで開かれ、ここでCO2排出抑制のための「地球温暖化防止条約」(気候変動に関する国際連合枠組条約)が採択された。
そして1997年に京都で開かれた第3回締結国会議(COP3)では、法的拘束力をもつ具体的な数値目標(先進国全体で、2008年から2012年までに、温室効果ガスの排出量を1990年の水準より少なくとも5%削減する)が「京都議定書」として採択されたのである。
そこで「脱炭素ビジネス」が生まれた
「原因をつくったのは自分たちなのだから、自分たちで解決しましょう」というのは一見美しい話だけれど、人為的に起こしたものを人為的に解決しようとすれば、新しいシステムを立ち上げる必要がある。そこには当然、お金とエネルギーがいるので、そのおかげで儲かる人も出てくるというわけだ。
例えば、生物多様性が失われたのは自然破壊など人為的な影響のせいであることは誰だって知っている。しかし、それを本気で守ろうとすれば究極「開発をしない」ということになってしまうから、それではたいした商売にならない。一応SDGsなるものの目標には入っているし、その大切さを訴え続けている人もいるにはいるが、世界を挙げてのメジャーな運動になりにくいのは、はっきり言えば「儲からない」からだ。
しかし、CO2を減らすということであれば、電気自動車を造るとか、自然エネルギーを活用するための風車だとか太陽光パネルだとか、金儲けのチャンスはおおいにある。そこに気づいた人たちは、「人為的地球温暖化」説を後ろ盾にして、膨大な金を動かそうと目論んだのである。