21歳女性がマッチングアプリに登録。「若いのにもう婚活?」と言えないワケ
20代、30代に受け入れられるポイント
そうした価値観を持つ女性にとって、自分と価値観の合う人を厳選し、納得感を得た上で会えるという点が、マッチングアプリが支持されている理由でしょう。アプリで出会ってすぐに会うわけではなく、やりとりを3~6か月続けてから会うので、時間をかけて情報収集ができ、むやみにたくさんの人と会うよりも効率がよいのです。
また、自分と嗜好性が合う人相手をかなり高い精度で見つけられるのもポイントです。例えばあるアーティストが好きだとして、単にファンということではなく、どの時代から聴き始めたのか、どのPVが好きなのかなど、内面に近い部分の共通点を見つけていくことができます。
私は大学で多くの学生と接していますが、今の若い世代の傾向として「断る」ことが苦手だということがあります。嫌われたくない、事を荒立てたくないという思いも強いのだと思います。だから「もし、自分と合わなかった場合でも断りやすい」ことも、アプリが受け入れられている理由だと感じています。
さらに住んでいる地域が関係なくなったことも大きいでしょう。例えば今は仕事の関係で関東に住んでいるけれど、結婚は地元である関西でしたいという時も、相手探しだけは始められるのはメリットです。
親世代との一番の違いは「ITリテラシーの高さ」
では、親世代がなぜ理解できないかというと、そもそも20代、30代はコミュニケーションプロセスが違うことに気づいていないからだと思います。
親世代はとりあえず会うところからスタートして、会って電話番号を交換し、そこからコミュニケーションを重ねていきました。でも、生まれた時から携帯があり、LINEやSNSが当たり前のデジタルネイティブ世代である20~30代は、恋愛に限らず「いきなり会う」というケースのほうが少なく、会う前にある程度、LINEなどで会話をするという前段階があるのが当たり前になっています。
消費者が商品やサービスの購入を決める心理的なプロセスを表すマーケティング用語として、以前はAttention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取った「AIDMA(アイドマ)」が主流でした。
それがインターネットの普及後、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)→ Action(購買)→ Share(情報共有)の「AISAS(アイサス)」に代わったのと同じように婚活にも「Action」の前に「Search」が入ったということです。