中国事業は苦戦…「日本一の銭湯チェーン」の赤字でも撤退できないジレンマ
原価率90%というビジネスモデルの苦悩
燃料高も頭の痛い問題。極楽湯の原価率は絶頂期の2019年3月期でも89.5%と高い比率を占めています。そこに資源高の影響が重なり、2022年3月期は94.3%まで原価率が上がりました。
施設を稼働させるコストが高いうえ、集客に苦戦すると即赤字の状態。事実、2021年3月期は粗利すら出ていませんでした。
極楽湯は、施設単体で赤字だったとしても、少しでもキャッシュを稼ぐために寝かせておくわけにはいかない。不採算だからといって、撤退はできない、というジレンマに陥っています。
売上高の減少が止まらない中国事業
社運をかけたプロジェクトである、中国事業も極楽湯を苦しめています。2013年に中国上海市に海外1号店、2015年に同じく上海に2号店、2016年に武漢市にも温泉施設を出店しました。2022年3月末時点で直営店3店舗、FC加盟店7店舗を出店しています。2019年3月末と比較をすると、直営店は1店舗減少、FC加盟店は3店舗増加しています。
店舗全体としては増加していますが、売上高の減少が顕著。中国は新型コロナウイルスを封じ込めるための厳しい措置をとっています。極楽湯は営業再開ができるようになりましたが、客足はまだまだ戻っていないのが現実です。
中国事業が、会社の業績に大きく寄与するほど回復するのには時間がかかりそうです。